技アリ!イベント「行列緩和アプリ」の潜在力 課題もいろいろ…だが仕組みはうまい!

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ひとつ目の問題点は、「来場者が予約したのかを確認する仕組みがない」ことだ。いたずらでもなんでも登録できてしまうため、予約があるのに来ない……という可能性もある。

そうした問題があるため、筆者も会期中には、SNSでの拡散は「予約ができる」という事実だけに留め、アプリの在処や名前、予約方法を公開することはしなかった。

そうしたトラブルの可能性は、もちろん運営側もわかっている。日に数度予約者チェックが行われ、予約リストの整理が行われる。だから、「予約がいっぱい」と表示されても、日に数度チェックすると、再び予約可能になってることもあった。

課題はあるが、実にうまい仕組み

2つ目は、予約カウンターでもさらに待たされ、アポ時間からずれてしまっていたことだ。Oculusの場合、アポ時間前に行くと、「再度アポの時間に列に来い」と係員に指定されたため、時間を守って行列に並んだのだが、行列を抜ける頃にはアポ時間は終わっていた。

カウンターでその旨を告げると、「あなたのアポは終わっているので並び直せ」という始末。拙い英語で強くクレームを入れた結果、問題なく入れたが、列のコントロールは結局「現場任せ」になる。

とはいえ、こうした仕組みは実にうまい。日本のイベントでも整理券を発行する例はあるのだが、整理券を求めて早朝から列を作り、会場とともにダッシュする……という姿が見られ、実に危ない。

日本でもこうしたアプリによる予約の仕組みは、積極的に採用すべきである。完璧でなくても運用でカバーできて、さらに根本的な問題が解決できるなら、それでいいではないか。

そろそろ日本も「イベントは地図アプリ」を越える時代がやってこないといけない。

 
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にしだ むねちか / Munechika Nishida

得意ジャンルは、パソコン・デジタルAV・家電、そしてネットワーク関連など「電気かデータが流れるもの全般」。主に、取材記事と個人向け解説記事を担当。朝日新聞、読売新聞、日本経済新聞、『アエラ』『週刊朝日』『週刊現代』『週刊東洋経済』『プレジデント』朝日新聞デジタル、AV WatchASCIIi.jpなどに寄稿するほか、テレビ番組・雑誌などの監修も手がける。著書に『ソニーとアップル』(朝日新聞出版)、『漂流するソニーのDNA プレイステーションで世界と戦った男たち』(講談社)、『スマートテレビ スマートフォン、タブレットの次の戦場』(アスキー新書)、『形なきモノを売る時代 タブレット・スマートフォンが変える勝ち組、負け組 』『電子書籍革命の真実 未来の本 本のミライ』『iPad VS. キンドル 日本を巻き込む電子書籍戦争の舞台裏』(すべてエンターブレイン)、『リアルタイムレポート・デジタル教科書のゆくえ』(TAC出版)、『知らないとヤバイ! クラウドとプラットフォームでいま何が起きているのか?』(共著、徳間書店)、『災害時 ケータイ&ネット活用BOOK 「つながらない!」とき、どうするか?』(共著、朝日新聞出版)などがある。

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