大分県宇佐市に生まれ育った神谷さんは子ども3人を育てながら、食に関わる活動を行っていた。
「今で言うフードコーディネーターとして、『人と人』『人と物』をつなぐという活動をしていました。大分の名産品である『ゆずごしょう』の啓発活動もそのひとつです」
20年ほど前、東京に大分のアンテナショップができたとき、神谷さんのお母さんである伝承料理研究家の金丸佐佑子さんが食の監修を任されることになり、神谷さんも手伝うようになった。
「そこで東京の料理人さんたちとのつながりができて、みなさんに大分の野菜や食材を紹介するという仕事が始まったんですね。
そのとき気づいたのは、プロの料理人というのは、ご自分たちの食事が後回しになっていることが多いということ。まかないといっても時間がなかったり、しっかりしたものを食べていなかったり。
そこで時々おにぎりをにぎって差し入れするようになったのですが、みなさん、もう泣かんばかりに喜んでくださるんですね」
イタリアンやフレンチの有名シェフたちも、顔をほころばせて神谷さんのおにぎりを頬張ったという。
「おにぎりは人を笑顔にするんだなというのは、このとき実感したことでした」
「おにぎりをにぎること」を仕事にした理由は?
神谷さんに転機が訪れたのは2年前のこと。
嬉野温泉の老舗旅館「和多屋別荘」の「ワーケーション」企画のモニターとなったことがきっかけとなった。
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