"炊飯器と旅する"女性「にぎりびと」の意外な正体 「世の中で一番偉いのは炊飯器」神谷さん(前編)

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私は世の中で一番偉いのは炊飯器だと思っているんです(笑)。だってお米と水があればどこでも炊けるでしょう。無洗米を使えば小さな子どもでも炊けますし」

神谷よしえさん
炊きたてのごはんをにぎる神谷さん。決してにぎり込むのではなく、やさしく丸めるようににぎる(写真:尾形文繁)

「誰もが再現できるおにぎり」を目指したい

「8000円の炊飯器、コンビニのお米」には神谷さん流のこだわりがある。

「これで私が14万円の炊飯器を出してきて、『どこそこのブランド米を使って炊きました』といったら、それはもうおいしくて当たり前ですよね。

でも私の伝えたいおにぎりはそうじゃない。おいしいおにぎり、豪華なおにぎりというのはプロの料理人さんのジャンルだと思っていて、私は『誰もが再現できるおにぎり』を目指したいんです。ただ念のためにいえば、嬉野では有田焼の土鍋や、他では羽釜でも炊くんですよ。それはまた格別です。

こうやっておにぎりを食べていただいて、ごはんのおいしさを見直してくれたら、みなさん『じゃあちょっと帰りにコンビニでお米を買って、家族におにぎりをにぎってみようかな』と思ってくれるかもしれないですよね。それが大事だと思ってるんです。もちろん、それとは別にぜひおにぎりを食べに嬉野にもいらしていただきたいですけどね(笑)」

神谷さんがライフテーマとするのは「ごはんはエール」

おにぎりを通じて一人でも多くの人に元気になってもらいたい、元気を渡したいという思いで全国でおにぎりをにぎり続ける。

次回は神谷さんのおにぎりに対する「おにぎり愛」について伺う。

*この記事の続き:「"宇宙食"としても注目」おにぎりは凄い食べ物だ

*この記事の続き:にぎりびと直伝!「絶品おにぎり」作る簡単すぎる技

神谷よしえさん
神谷さんのおにぎりを受け取る人は誰もが笑顔になる(写真:尾形文繁)
高橋 扶美 ライター

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たかはし ふみ / Fumi Takahashi

長野県出身。ライター。青山学院大学経済学部卒。大学卒業後、出版社勤務、週刊誌記者を経てフリーランスライターとして独立。主に美容・健康、ビジネス書の書籍の企画・編集・制作などを行っている。過去30年間で制作した本は200冊以上にも上る。

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