「自動ドアでなく、ドアノブだったから」と、コロナ禍以降強まった何かに手を触れたくない現象から、このような理由も聞きました。極端な例かもしれませんが、いずれにしても自分のイメージと乖離した部分を見て、離職を決める原因になっているようです。
これに関しては、事前に環境を確認することが、1つの方法です。支社や支店が多く、難しい場合も多々あると思いますが、ある程度のイメージを持つことは、企業側にとっても個人にとっても必要です。人によってこだわるポイントは違うと思うので、自分が避けたいことは事前に確認するようにしましょう。ビルの入り口に喫煙場所があるといったことも最近では気にされる方も多いと感じます。
2つ目の、入社から1カ月ほど経過した時期からですが、いわゆる5月病といわれる心身の不調の時期と重なります。
5月病といっても5月の連休明けから6月にかけての時期に多く、新しい変化によるストレスで心身に不調が表れることを指します。ストレスは、変化によって増えることが大きいので、学生から社会人になり、環境の大きな変化に影響されます。
そのような時期に、本来ならストレスを解消するための行動をとることが推奨されますが、入社して間もないときは余裕がありません。その結果、ストレス過多のまま過ごすことになり、それが顕在化するときが、5月病の時期にあたります。体調の悪さと気分の落ち込みから、退職という結論を出しやすくなります。
孤独感を訴えるケースが増えている
3つ目は、企業の研修を終え、配属が決まったタイミングで離職するケースです。配属先が希望通りではなかったり、関連会社への出向や本社ではなく支社に配属された場合なども離職を考える1つのきっかけになっているようです。
自分の希望が通らないから離職する、というと一見ワガママに映るかもしれませんが、実態は企業側と意思疎通ができていない場合が多く見られます。事前の説明もなく希望や意見を聞かず、配属の理由も伝えずに配属先を決めた場合に起こりがちです。
全体を通して、以前と比べ孤立感や孤独感を訴えるケースが増えています。学生生活をコロナ禍で過ごしたという背景もありますが、同期の集まりや飲み会などで横のつながりをもつことが難しくなりました。そのため、ちょっとした情報を手に入れたり、相談できる相手をつくることがなかなかできません。結果、不安を抱いてしまい孤立感や孤独を感じ、離職につながりやすくなっているという印象です。
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