リーダーが必ずしも「優秀である」必要がない理由 優れた人材を見出し仕事を任せることが重要

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優しいリーダーがいいか、厳しいリーダーがいいか、よく議論になるところですが、これは択一的に決めることはできません。有能なリーダーの多くは両方の顔を持っていて、場面ごとに使い分けています。

ただ、1つ言えることがあります。それは、メンバーに好かれようとすると、組織は成果を出せなくなるということです。

残念ですが、リーダーはその役割の特性上、メンバー全員に好かれるということは、まずありません。むしろ、メンバーから好かれることを目標にしていては、チームは弱体化してしまいます。

メンバーに好かれることをめざして、リーダーがメンバーに気を遣い、楽な仕事ばかりを振ったり、厳しく指導したりすることがないチームは、絶対に大きな成果を上げることはできません。

チームにとっても個人にとっても、成長とは、困難なことや限界にチャレンジしたときに、その対価として得られるものだからです。

ただし、好かれなくてもいいとはいっても、あまりに厳しすぎる指導をしたり、威張り散らして嫌われるような行動を取ったりしてもいい、ということではありません。

つまり、チームの成果を出すために、リーダーとして正しいと思うことを貫く、ということであり、それが、必ずしもメンバーにとっては心地いいとは限らない、ということです。

正しいことをしていれば嫌われない

しかし、逆説的になりますが、正しいことをやり抜くリーダーは、ある局面ではメンバーには厳しいリーダーと思われることがあっても、最終的に「嫌われる」ことはありません。

メンバーは、リーダーがどこを見て仕事をしているのか、何を優先しているのか、いざというときに保身に走るのか、自分たちを守ってくれるのかを敏感に感じ取ります。

摩擦を恐れず正しいことを貫こうとする姿勢や情熱は、メンバーにもきちんと伝わり、理解と協力を得られるようになるものです。

そう信じて、リーダーとしての意志を貫く強さを持ちましょう。

リーダー
(イラスト:『リーダー1年目のマネジメント大全』より)
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