逆にいうと、集中力が切れたまま作業を続けるのは危険です。
それは、ガソリンが切れたエンジンを回し続けるのと同じで、燃え尽き症候群(バーンアウト)につながる可能性がありますし、先延ばしの元凶にもなります。
「集中力が切れた」と感じたら、いっそ作業から離れ、瞑想することをおすすめします。
席についたまま呼吸瞑想をするのもいいですし、階段を上り下りしながら、足の裏の感覚に意識を向けるのも、効果的です。
そうしていったん脳を休めたほうが、業務の生産性もかえって高まるはずです。
欧米の企業がマインドフルネスに着目したのは、このあたりに理由があります。
グーグルは「瞑想ルーム」を本社オフィスに設け、従業員が仕事の合間に瞑想できるようにしました。
仕事の合間に、瞑想を組み込む
誰しも、同じ集中力でずっと働き続けることは困難ですが、瞑想を仕事の合間に組み込めたなら話は変わります。
それは 「仕事しつつ休み、休みつつ仕事をする」 ようなもの。
マルチタスクを続けながら、バーンアウトすることなく集中力を維持できるかもしれません。
職場における瞑想の効果を、数字で示した企業もあります。
ヤフー株式会社では2016年から、7週間のマインドフルネス・プログラムを延べ1500名以上の社員に提供したところ、「プレゼンティーイズム(出社してはいるものの健康上の問題によって業務効率が落ちていた状況)」の数値が平均約20%改善したことを報告しています。
うち週3日以上瞑想を実践した人では約40%改善したということですから、その効果は計り知れません。
また、保険会社のエトナは「マインドフルネスセンター」をつくり、1万3000人以上の社員にマインドフルネス研修を実施しました。
すると社員のストレスは3分の1に減り、1人あたりの生産性が年間3000ドルも高まったといいます。