日本は、なぜ「シー・シェパード」に弱腰なのか

「海賊」と認定しない理由とは?

日本の捕鯨船を妨害するシーシェパード抗議船(写真:日本鯨類研究所/ロイター/アフロ)

大洋の激しい波の中で、青い船が日本船に激しくぶち当たる。その船体にはサメの顔が描かれ、甲板にいる乗組員は日本船に向かって次々とものを投げ込んでいる。シー・シェパードの活動を撮影した映像を見る限り、シー・シェパードは日本の調査捕鯨船を攻撃する「海賊」そのものだ。

だが日本政府は、シー・シェパードを「海賊」と認定していない。なぜ認定しないのか。国際法ではシー・シェパードの行為は「海賊行為」ではないのだろうか。まずはシー・シェパードの実態を見てみよう。

シー・シェパードは1977年にグリーン・ピースを脱退したポール・ワトソンにより設立された「環境保護団体」で、捕鯨船に体当たりするなど過激な活動で知られている。1986年にはアイスランドが所有する4隻の捕鯨船のうち2隻の船体に穴をあけて沈没させ、1992年と1994年にはノルウェイの捕鯨船を沈めたこともある。

現在、そのシー・シェパードの主たるターゲットとなっているのが南極海で操業する日本の調査捕鯨船だ。

商業捕鯨の復活を目指す日本を妨害

日本政府は商業捕鯨を中止した1987年から第1期南極海鯨類捕獲調査事業を始め、南極海で様々な環境変化が起こっていることを把握。2005年から現在に至る第2期調査では資源管理に寄与すべくその変化を解明することで、最終的には商業捕鯨の復活を目指している。これに妨害を加えてきたのがグリーン・ピースとシー・シェパードだ。

「第1期調査ではグリーン・ピースとシー・シェパードが妨害してきたが、第2期調査の初期にシー・シェパードが加わり、最近ではもっぱらシー・シェパードが妨害している」と藤瀬良弘一般法人鯨類研究所理事長が被害の実情を説明する。

「捕鯨船の前でボートを疾走させ、捕鯨反対のプラカードを掲げた様子を写真に撮り、それを反捕鯨活動に使っていたグリーン・ピースとは異なり、シー・シェパードは捕鯨船に体当たりするなど、極めて危険な行為を繰り返している。そこで我々は彼らに遭遇しないように航路を変更したりするのだが、彼らは捜索用のヘリコプターが格納された高速船まで所有している」

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