米国の”政治人材”は、日本とここまで違う! ビジネスと政治を行き来する強者たち

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ジョージ・ワシントン大学のマーク・ケネディ教授
今、日本企業が世界で勝てない理由のひとつに、各国政府への「ロビイング不足」があります。そもそもロビイングとはどのようなもので、日本企業が今後、身に付けるべき技術とは何か。
今回は世界でも珍しい、ロビイング人材の育成プログラムを設けたジョージ・ワシントン大学のマーク・ケネディ教授にお話を伺います。

ビジネスと政治を行き来するケネディ教授

桑島:今回はアメリカからジョージ・ワシントン大学のマーク・ケネディ教授に来ていただきました。この大学にはロビー活動の専門家であるロビイストや、政策のPRができる人材を育てるための、「グラジュエイト・スクール・オブ・ポリティカル・マネジメント」という珍しいプログラムがあります。

そこでどんな教育が行われているかを知ることは、日本企業や日本政府が、ほかの国の政治家と付き合っていくときのヒントになるはずです。

実はケネディ教授は、かつてアメリカの連邦議会の議員を6年間務めた経験をお持ちです。その前はメイシーズというアメリカの大きな百貨店の幹部だったこともある。つまりビジネスと政治の両方を経験されているんですよね。

ケネディ:私はミネソタで生まれて、大学を出るまでは人口500人以上の街に住んだことがありませんでした。日本の上智大学ともつながりのある、セントジョーンズ大学というカソリックの大学を出て、そのあと公認会計士として3年間働いたあと、ミシガン大学のビジネススクールに進みました。

大学院のときに妻と出会い、オランダのアムロ銀行というところでインターンをすることになり、そこで初めて世界に対する目が開かれました。私の母は生涯アメリカから出たことがありませんでしたから。

桑島:アメリカにはアメリカから出たことのない人が意外と多い。それどころか、自分の生まれた州から出たことがない人も多いと聞きます。

ケネディ:それくらい保守的な家庭に育ったわけです。だからこそ大学時代は世界中から集まってきた学生と話すのがとても楽しかった。

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