もうひとつ力を入れているのが、一般市民との協力の方法や世論の形成について学ぶことです。いままでは政府や役人がものごとの決定権を持っていました。しかしいまはメディアやNGOや草の根運動によって、ものごとが決まることも多い。いろんな人たちと手を組んで、政策に訴えることも少なくない。
桑島:そうですね。日本でも同様の状況になりつつあります。
”シェイプホルダー”と関わることの重要性
ケネディ:したがって授業では、どういうふうに自分の発したいメッセージを作りこむか、どういうふうにいろいろなプレーヤーと連携していくか、いかに仲間を増やすかを教えています。たとえば自分が企業だとしたら、NGOやメディアや市民運動の人たちといかに連携するか。もしくは自分自身で草の根運動をつくっていく方法も教えています。
利害関係者のことをステークホルダーと言いますが、私はもうひとつ、シェイプホルダーという言葉を付け加えたい。
シェイプというのは「形作る」という意味です。シェイプホルダーというのは、必ずしも意思決定に直接は関わらないけれども、意思決定を形作る人たちです。たとえば典型的なシェイプホルダーはメディアです。人々はメディアの発言にどうしても影響を受けざるを得ない。
もうひとつのシェイプホルダーの例は、グリーンピースや捕鯨反対運動をしている活動家です。彼らは必ずしも意思決定には直接関わっていないけれど、外部から影響を与えて、ものごとの印象を変えている。このようなプレーヤーたちとも関わっていかなければならないでしょう。
桑島:非常に興味深いですね。後編ではさらに詳しい内容と、日本政府や日本企業への提言などもお聞きしたいと思います。
※後編は1月4日(日)に公開します
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