地上戦に勝てなかった「ネット選挙」 ネットがすぐ票に結び付くという「幻想」

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結局は「地上戦」を選択した候補者が多かった総選挙(AP/アフロ)

総選挙からはや約2週間、12月24日は第3次安倍内閣が発足する。今回のコラムでは、なぜネット選挙が盛り上がらなかったのかについて考えて見たい。

すでに死語になりつつあるかもしれない「マニフェスト」同様、今回の選挙で新たに死語と化してしまったのが「ネット選挙」だ。

選挙戦術として考えた候補者はほとんど見当たらず、「ネットで・・」などという言葉自体が陣営で飛び交うこともほとんどなく、すっかり忘れ去られた存在になってしまった。読者の皆様も、このコラムの見出しに改めて思い出されたのではないだろうか。

マニフェストは民主党政権が実現できず、死語に

「マニフェスト」については、仮にも2009年の民主党政権樹立に多大なる貢献をした“武器”であったことに間違いない。

それまでは、候補者の公約は「意気込み」でしかなく、政党との契約は、ただの「スローガン」でしかなかったが、この時の衆院選に限って言えば、政党が期限と予算を明記したマニフェストという形での政策論争をすることで、「新しい時代の政治が始まるのではないか」と、有権者に期待を持たせた。

結局のところ、マニフェスト選挙によって政権を手にした民主党が、マニフェストに掲げた政策をことごとく実現できず、国民の期待を「見事に裏切った」ことで、「マニフェストはウソが書ける」というデメリットが検証されてしまった。

その反動は大きく、続く2012年の衆院選では、マニフェスト選挙と称するメディアもなければ、マニフェストを謳い文句に選挙を戦う政治家も、さらには政党の配布物にはマニフェストの文字すら見当たらず、このフレーズを使用することは皆無となってしまった。

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