それにしても安倍さんはツイている。
解散直前の11月15~16日、自民党が行ったサンプル調査では、「自民は最大30議席減」という結果が出た。まあ、それくらいなら仕方あるまい、と覚悟して踏み切った解散・総選挙であったが、自民党は290議席をゲットした。追加公認と定数の5議席減を勘案すれば、解散時の294議席とほぼ同数の勢力と言える。これで自公連立政権は衆院で3分の2の勢力を得て、向こう4年間はテッパンの安定基盤を得たことになる。
民主党の代表者選びは「年明け」で正解
なおかつ野党は傷だらけの状態だ。特に最大野党の民主党は、東京1区で海江田万里代表が落選してしまった。「民主党イジメが最大の健康法」と評される安倍首相、さぞかしメシが旨くて体調も良いことと拝察申し上げる。
大将が討ち死にした民主党では、2015年1月18日に臨時党大会を開催し、党員やサポーターも含んで代表選挙を行う予定である。特別国会の召集が来週に控えているが、首班指名においては、とりあえず2人いる「代表代行」のどちらかの名前を書くことを決めたそうだ。
それは大正解で、なるべく時間をかけて大勢で新代表を選ぶ方が強いリーダーを生み出すことになる。来春の統一地方選挙を控えて、地方組織も活性化するというものだ。
思えば2年前の総選挙の際に、民主党は決定的な大敗を喫した。そこで党内は「首班指名で野田佳彦とだけは書きたくない」という声が澎湃として湧き上がり、慌てて代表選挙を行って、そそくさと選んだのが海江田代表であった。今から思えば、党勢回復よりも党内融和を重視した決定であった。酷なことを申し上げるが、そのことが今回の選挙結果の遠因となっているように見える。
2015年こそは心機一転、強い新代表の登場を待ちたいものである。与野党の「一強多弱」の構図を塗り替えるには、まずは民主党が再生しないことには始まらない。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら