12月14日投開票の第47回衆議院総選挙の結果、自民党が291議席を獲得して大勝した(自民・公明両党では計326議席)。
この大勝は、何を意味するか。「アベノミクス」が多くの国民に支持された、ということなのか。消費税の「軽減税率」が支持された、ということか。「集団的自衛権の行使容認」が支持された、ということか。
アベノミクスは「選挙の勝者」ではない
総選挙の結果が物語る最大の含意は、「安倍内閣の存続」である。総選挙後、安倍内閣は継続される。第3次内閣が間もなく発足する。確かに、安倍内閣は総選挙の勝者だ。
ただ、含意はそれ以上でもそれ以下でもない。結局、この総選挙の結果を後ろ盾にして、他に有無を言わせない形で方針を貫き、実行できるような「勝者」といえる政策は、ほぼない。2005年の「郵政総選挙」と呼ばれた衆議院総選挙の結果を受けて、小泉純一郎内閣が、一度は否決された郵政民営化法案を、反対派の意見を押し切って、総選挙後に成立させた。しかし、そのような政策は、今回はない。
「アベノミクス」が「勝者」かと言えば、そうではない。確かに、政権側は、「アベノミクス」の是非を最大の争点としたがっていた。これに対し、野党は表向き「アベノミクス批判」をしてはいるが、それは「政権批判」という言葉と置き換えても何ら変わらない程度の批判に過ぎなかった。
大規模な量的・質的緩和政策、景気対策の必要に応じた財政出動、民間投資を喚起する成長戦略が「アベノミクス」の内容だが、野党はこれらの政策の方向性をすべて批判しているわけではなさそうである。いわば、野党の態度は、選挙前から選挙中も、「アベノミクス」の個別内容については是々非々だったというべきである。
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