7月17日に、社会保障制度改革推進会議の初会合が開催された。筆者はその委員を仰せつかったが、今後この会議が何を担い、どのように議論を進めて行くかについて、ぜひ読者の皆様に紹介したい。
この会議の役割の1つは、「2025年を展望し、中長期的に受益と負担の均衡がとれた持続可能な社会保障制度の確立を図るための、改革の総合的な検討を行うこと」である。硬いことを抜きにしていえば、消費税率を10%に引き上げて社会保障の充実や重点化・効率化を行った後、わが国の社会保障制度をどうするか、である。
「消費税率10%もまだなのに!」と言う前に・・
消費税率を10%に上げるかどうかの最終判断は、年末までに行うとされている。まだ上げると決めていないのに、誰がそんな議論を始めろと言ったのか、と気の短い方は思われるかもしれない。この詳細は、後に言及しよう。
社会保障制度改革推進会議は、そもそも昨年12月に成立した社会保障改革プログラム法を根拠に、内閣に設置される総理大臣の諮問機関である。明確な法的根拠のある会議である。さらにさかのぼって、社会保障改革プログラム法は、消費税率を10%に引き上げることを決めた社会保障・税一体改革関連法(2012年8月成立)を受けて、消費税率引き上げによる増収分をどの社会保障給付に充てるかについて、その全体像と進め方を明示した法律である。さらに社会保障改革プログラム法に基づき、社会保障制度改革推進会議は、社会保障・税一体改革の進捗状況の確認という役割も担うこととされている。
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