消費税増税見送り、そして解散総選挙。
これぞまさに「自爆解散」と言っていいでしょう。
当コラムで散々言ってきたように(代表的なコラムは8月1日の「やっぱり、アベノミクスは蜃気楼?」)、消費税増税が日本経済にすさまじいダメージを与えるのは当然のことであり、「これまで大した影響はない」、とか「7~9月期には回復する」などと大本営発表を繰り返したメディアや、経済学者やエコノミストはこの際全員ボーズ!!であります(それでも有識者会議なるもので、増税賛成というエコノミストが6割もいたのには驚きました。賛成しているメンバーを見てみると、年収2000万円以上はあるであろう、人たちばかりですね。これぞ格差、であります)。
増税に加え、年末解散で「二重のダメージ」に
マクロ経済的に言えば、11月17日に発表された7~9月期の実質GDPマイナス1.6%(年率換算)は予測できなかったと言われますが、われわれ一部の「現実派」と呼ばれる、実務にかかわっているエコノミスト達は「プラス(成長)は難しい」、と予測していました。
これをお読みになっている読者の大半の方も、同じ感覚なのではないでしょうか。消費税増税により、みるみるうちに市場全体で消費が減退し、円安による輸入物価の上昇で原価が上がり、生活必需品の値段が上がり、これは景気回復どころではないと実感されていたのでは、と感じています。
すでに増税によるダメージは取り返しも付きませんが、さらに何の理由があってか、ついに消費税先送り、そして解散、という話になってしまいました。これは「現実派」からみるととんでもない「悪手」のひとつで、というのもせめても、年末商戦で消費税増税による売り上げの減少を取り返そうと現場は必死になっていたところに解散総選挙となるので、売り上げ増加どころか選挙によるダメージをさらに受けることになるからです。
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