つまり、東北という地域はその寒さがゆえに、徹底的に「燃料」が必要な経済構成になっているわけで、その意味ではこの円安のダメージは半端ではありませんし、実際どれだけの経済活動が犠牲になるのか想像もつかないくらいです。
私はむしろ東北復興が成るまでは、燃料費及び輸入品の価格を下げるために円高誘導するべきなのではないか、と主張したくらいで、これもまた「悪手」だったと言えましょう。
そのうえで、消費税を上げてしまったのですから、それで経済が良くなるわけはありません。
本来なら、消費税5%に戻すべき
今回、消費増税は先送りという話になりましたが、本来であれば、元の5%にまずは戻すべきでしょう。1年半先送りすると、どうせ上がる訳ですから各企業(特に中小)も、個人もその時に備えようとするでしょう。
給料が上がる見込みがあれば、リフレ派のみなさまが言うように駆け込み需要が出るということになるのでしょうが、給料が上がる見込みどころか、自分の職場があるかどうかわからないような現状では、家計は防衛に走り、駆け込み需要があるなどということはあり得ません。ますます経済活動は停滞します。
そもそも物価が上がれば、早く買わないと損をするというので家計が消費するようになるなどという「ブードゥー経済学」を信じた方がバカなのです。それは終身雇用制で、給与が右肩上がりだった、まさに私が就職したころには有り得た話です。事実、給与は上がることがわかりきっていましたから、別にローンで車を買うことも、家を買うことも全く恐ろしくありませんでした。最後は退職金で返せばいい、という話です。
いま、この話を信じられる人がどれだけいるのでしょう?退職金なんてないかもしれないし、リストラにあわないまでも、給料が下がってローンが払えなくなるかもしれない・・そんな状況で消費税増税を先回りして消費するほど、消費者はバカではないのです。
ですから、まず、消費税を元に戻し、改めて財政再建のステップを国民に示したうえで信を問う、というのが筋なのです。消費税増税だけをしておいて、予算規模は史上最大などというブラックジョークはいい加減にやめた方がいいでしょう。
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