早稲田大学、「独自の国際化」の前途 新入生をマレーシアへ送ったワケ

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早稲田大学大隈講堂外観写真(写真:ふくいのりすけ / Imasia)

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※インターナショナルスクールの「松・竹・梅」
※開校して2年、「マルボロ・カレッジ」は今

アジアに目を向ける日本人が多い中、国内では日本の大学もそれぞれ国際化を進めている。留学生の獲得はもちろんのこと、マレーシアにキャンパス建設を発表した東京理科大学をはじめとした海外への進出、9月入学、英語での授業の創設など、教育のグローバル化に対応した数多くの試みが始まっている。

なかでも、文部科学省事業「国際化拠点整備事業」(Global30、2009年度~2013年度)に採択された13大学のひとつとして、以降さまざまな取り組みを行っているのが、早稲田大学だ。早稲田大学は明治時代にも清国からの留学生を数多く受け入れており、中国共産党の結成者のひとりである李大釗も出身者。

近年では後に台湾の金美齢やサムスン電子現会長のイ・ゴンヒが留学するなど、アジアとの交流は歴史的に深いものがある。

2032年には留学生1万人目指す

早稲田大学では、1998年から英語で授業履修、および学位取得が可能な「英語学位プログラム」を設置。現在、6学部・11研究科で英語学位プログラムを設置するなど、大学の国際化に向けた施策をとっている。創立150周年となる2032年には「留学生受け入れ数1万人、日本人学生全員の留学」を目指すという。なお、ほかにも一橋大学や立教大学が日本人学生全員の留学を打ち出しており、一橋大学では一足先に2018年までに新入学生全員を短期語学留学させる予定だ。

2014年5月時点での早稲田大学の留学生数は4766人。中国をトップとして、韓国、台湾、米国、タイ、インドネシア、マレーシアなどアジアを中心にさまざまな国の生徒たちが学んでいる。留学生の人数を他の主要な私学と比較すると慶応大学は1303人、明治大学が1187人。日本学生支援機構の調査によれば、早稲田大学の留学生数(平成25年度)は国内の大学で最も多く、日本でもっとも国際化に熱心な大学であると言えるだろう。

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