早稲田大学、「独自の国際化」の前途 新入生をマレーシアへ送ったワケ

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日本の大学システムと欧米のシステムはかなり違う。大学システムのグローバルスタンダード化と一言でいっても、それを実現するのは簡単ではないだろう。特に学生の授業への姿勢が欧米の一流大学とは異なる。卒業要件が日本の大学は甘すぎるのだ。

「欧米並みに卒業の条件を厳しくしたほうが、しっかり勉強するという意見もある。入学者を増やすだけであれば欧米のシステムでもいいのだろうが、日本のシステムの良さもありますので、どちらが良いとは一概には言えないと思う」(玉田課長)。

日本語での授業も共存

早稲田大学では、「英語学位プログラム」が多くの学部・研究科にも広がることにより、ランゲージバリアが引き下がり、留学生獲得の大きな牽引力となることを期待している。「しかし全部の授業を英語で、とは思っていない。日本語での教育を共存させて、日本語のできる留学生は日本語で授業を受けることができるようにすることが重要だと考えている」(玉田課長)。

留学生の受け入れを増やすだけではなく、留学生の送り出しにも力を入れている。「地球の至る所で異文化社会にとけ込める」グローバル人材の輩出を目標にすえ、将来的には全学生を海外に留学させたいという。

なぜ、日本国内での教育だけではダメなのか。丸谷課長は言う。「グローバルな視野を持つ人材を育てるには、言語だけでなく、異文化を理解する力が必要。もともと早稲田は創立当初から留学生や地方出身者が多く、多様性がキーワードでしたが、さらに世界の文化の違いを許容できる人材を作りたい」。

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