米国の”政治人材”は、日本とここまで違う!

ビジネスと政治を行き来する強者たち

桑島:3つとも日本の大学にはないプログラムばかりですね。

ケネディ: この学校の特色は、「How」にフォーカスしていることです。つまり個々人の政治信条は問わない。「どうやって自分の政策を効果的に主張していくか」ということだけを教えていて、「何が正しいか」は教えません。

たとえば「大きな政府がいいか、小さな政府がいいか」「税金は高いほうがいいか、安いほうがいいか」というようなことは、もちろん議論するのは自由ですが、学校は押し付けません。学校で教えるのはスキル、戦術のみ。学校自体には党派性がなく、保守的な人もいれば革新的な人もいて、両者がオープンに意見を戦わせる場になっています。

ですから当然、教授陣の経歴や所属もさまざまです。私は共和党ですが、それ以外の先生も多い。民主党支持者のクリントン政権のファンドレイザー(選挙資金を獲得する人)として活躍した先生に学ぶこともあれば、共和党支持者の放送事業者の業界団体を率いていた人物について教えたりもします。共和党支持者からも民主党支持者からも、教えてもらう機会があります。

桑島:学校自体は党派性がないということですね。現在のアメリカ議会は、非常に党派性を帯びているため、簡単にいうと全然議論になっていませんよね。お互い妥協の余地がないので、議会が完全にストップしてしまっている。

ケネディ:「グラジュエイト・スクール・オブ・ポリティカル・マネジメント」の教授陣はハーバードやMITなど、いろいろなところで博士号をとった人たちですが、採用に関してはひとつ条件があります。それは、あくまでも実際に選挙運動や政治に関わった経験があることです。

大学には2つの役割があって、ひとつは理論を学ぶ場所としての役割。もうひとつは実践経験を積む場所としての役割です。大学は理論に走ってしまいがちですが、あくまでもこのプログラムの目的は実践で、実際の政治や選挙で、いかに自分の政策や考えをアピールして実現していくかにフォーカスしています。

桑島:なるほど。僕も理論に逃げがちかもしれません(笑)。

ケネディ:私は過去3年間で、40カ国を回りました。そのときの経験から思うことは、当たり前ですが、非常に世の中がグローバル化しているということです。一方でアメリカという国では、自国中心主義的な教育になりがちです。しかしものごとが決まるプロセスは国によって当然違うわけで、そこを理解できる人材を育てたいと思いました。

なので、現在はラテンアメリカにフォーカスした教育に力を入れています。授業はすべてスペイン語。ラテンアメリカ各国においては、企業が政府にものを申していく場合、どのようなロビイングやPRなど政府渉外活動が行われ得るかを学びます。

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