お布施の増額は拒否可能?お寺の疑問に答えます 保存版!寺院との上手な接し方Q&A【前編】

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寺がリフォームするなどして多額の修繕費、改築費を要するときは総代会で予算を決め、檀徒に寄進をお願いすることがあります。

さらに経済的なことだけではなく、寺の主催する行事への参加についても檀徒は要請されることがあります。参加するだけではなく、寺の行事で受付、案内、設営などの仕事が割り当てられ、協力を求められることもあります。

寺によって檀徒に期待していることは異なります。まずは住職や総代の人に伺ってみてはいかがでしょうか。

寺が困っているのは、お寺の行事や経済を積極的に支えてくれる人(アクティブなメンバー)が、檀徒の中で年々減少していることです。あくまで任意ではありますが、できる限り参加・協力したいところです。

「宗派不問」の墓地は?

Q 父は次男なので、今住んでいる市に新しく墓を求めました。「〇〇寺霊園」という名ですが「宗派不問」とありました。父母が死んだ場合、この寺に葬儀や法事をお願いする必要はありますか。(60代女性)

A 名称に寺名がついているものの、戦後造られた宗派不問の墓地は「寺墓地(寺院境内墓地)」ではなく、「民営霊園(墓地)」となります。

この場合、改めて希望しない限りは寺の檀徒にはなりません。したがって、自動的に寺の檀徒に数えられることもありませんし、葬儀や法事をそのお寺に依頼する義務もありません。

(写真:PIXTA)

同じ寺墓地であっても、寺の檀徒のみに使用を許される墓地の場合、宗派は自由とはいきません。信仰は必ずしもその寺と同じではないにしても、その寺の宗派を否定せず、檀徒として寺をさまざまな形でサポートする意思を表明した人が檀徒とされます。正確には、こうした檀徒にのみ使用を許される墓地を、寺院境内墓地といいます。

民間霊園の場合は、管理料は「年間1万5000円」などと定額で定められています。墓地の管理料で注意しなければいけない点は2つあります。

1つ目は、この管理料は墓地全体の管理の費用に充てられ、個別の墓所の清掃・管理はそれぞれの使用者の責任で行う必要があること。2つ目は、墓地の管理料の支払いが停止して一定年経過すると、墓所として使用する権利を失うことです。

※【後編】はこちら

碑文谷 創 葬送ジャーナリスト

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ひもんや・はじめ

雑誌『SOGI』元編集長。現在は死、葬送、宗教をテーマに評論活動をしている。著書に『葬儀概論』『死に方を忘れた日本人』『新・お葬式の作法』など。

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