お布施の増額は拒否可能?お寺の疑問に答えます 保存版!寺院との上手な接し方Q&A【前編】

拡大
縮小

これは80歳以上の死亡者が、全死亡者の7割近くと多数派になったことを背景とするもので、死者の関係者が少数化、高齢化したことがもたらした変化です。 

さらに地方では人口減や高齢化で檀信徒(だんしんと)の減少が激しく、財政基盤が弱体化しているところが多いのが実情です。存続危機に立たされている寺院は、全体の3割以上に上るとされています。

したがって、ご質問のように布施の増額を希望する寺院が出てきたことは、何ら不思議なことではありません。

檀家がしなければならないこと

Q 私の家は祖父母の代から今のお寺の檀家となっています。先年死んだ父に寺のことはすべて任せていたので、いざ自分の代になると檀家として何をやらなければいけないかわかりません。檀家としてしなければならないこととは何でしょうか。(50代男性)

A 「檀家」と通称されていますが、戦後は家制度が廃され、信仰は個人単位となりましたので、正確には「檀徒」または「檀信徒」といいます。

檀徒とは、寺を信仰的かつ経済的に支えるメンバーということです。

具体的に挙げてみましょう。家族の墓や納骨壇が寺墓地あるいは寺の納骨堂にあれば、その管理料相当額を定期的に年1〜2回、1万〜2万円程度を納めます。

また多くのお寺では檀徒総代会で年に5000円から1万円程度の「護寺会費」を徴収しています。寺を護持するための費用で、寺の修繕費などに充てられます。

そのほかには、月参りと称して死亡した家族の命日の月に、僧侶が各家を訪問してお経を上げてくれることがあります。家族の死者が3人いれば年3回となり、1回3000〜5000円ほどを包むことが多いようです。

またお盆や春秋の彼岸には、寺院で法要が行われます。参加する場合の金額は定まっていないものの、3000〜5000円程度を包むことが多いようです。

亡くなった家族の葬儀や、一周忌などの法事をお願いすれば、この場合も定額ではありませんが、それぞれ任意のお布施を包むことになります。

お布施は精いっぱいのお礼であれば尊いもの(写真:PIXTA)
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT