政府が「物流2024年問題」をこんなにも"煽る"事情 トラックドライバーの残業規制だけではない

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このままの状態を放置すれば、トラックドライバーのなり手が減っていくのは火を見るよりも明らかである。

では、トラックドライバー不足を放置するとどうなるのか。

例えば、スーパーマーケットにいつも食品が並んでいるのは、物流があるからだし、鉄道が安定して運行できるのは、補修部品などを定期的に補充する物流があるからだ。

当たり前過ぎて、忘れられがちなのだが、私たちは、物流があるから、健全で安全な日々を過ごすことができる。そして、国内を流通する荷物の9割は、トラックが運んでいる。

「何もしなければ」輸送能力は3割低下

しかし、そのトラック輸送の担い手であるトラックドライバーが人手不足の危機にある。リクルートワークス研究所による試算では、このままトラックドライバー不足に手を打たないまま放置すると、「2040年には、『荷物が届かない』ことによって日本の1/4の地域は、事実上居住困難になる」と警鐘を鳴らしている。

2024年問題は、2024年に生きる私たちの課題だけを解決しようとする、短期的なものではない。物流に起因する社会課題と、それによって引き起こされる未来の日本社会を憂慮し、子どもや孫世代にも、健全に生活できる社会を引き継いでいこうという取り組みなのである。

2024年問題のときによく挙げられる数字が下図だ。現状だと、2024年度には輸送力が14%(トラックドライバー14万人相当)、2030年度には34%(トラックドライバー34万人相当)不足することになる。

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