物流現場「8時だョ!全員集合」という悪しき慣習 2024年問題は荷主側の協力がないと解決不可能

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(写真:千和/PIXTA)

2024年4月からトラックドライバーを含む自動車運転業務の時間所定外労働時間の上限規制(年間960時間)が導入され、ドライバー不足問題が一層厳しさを増すことが想定される。これが物流の「2024年問題」である。

この上限規制には罰則規定があるため、年間960時間(目安として月80時間)を超える時間外労働に当たる仕事は「できない・やらない・断らざるを得ない」というシナリオが想定される。

いまだに問題認識できていない企業も多い

だが、実際には現在の物流はドライバーの過剰労働によって成り立っている部分もある。このシナリオが現実のものとなってしまった場合には、「今までどおりモノが運べない」という状況に陥る可能性は小さくなく、これが産業界全体に拡大すると、経済活動の停滞につながりかねない。これが「物流危機」と言われる所以である。

近年の日本の歴史の中で、物流が滞った経験はほぼないため、各産業とも、いまだわが身の問題として捉えられていない状況にあるとみられる。実際、筆者がセミナーなどを行う際も、「何をどうしていいかわからない」という参加企業は少なくない。

だが、2024年問題も含めたドライバー不足問題は、トラック運送事業だけではなく、荷主、産業界を含む日本全体で真剣に目を向けなければならない課題なのである。

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