親の言葉遣いが、子どもの成績を決めている

「言葉による暗示」のとてつもない力

仮に、親御さんが「うちの子は勉強ができない子」と決めつけたとしましょう。そうすると、その決めつけに沿った「言葉」を、無意識のうちに日々子どもにかけてしまっているということが往々にしてあります。そして、その言葉は繰り返しの効果により、強力な“暗示”となって、行動や振る舞いまで大きな影響を与えてしまうのです。つまり、その発する言葉の種類によって、「伸びる子になるか、伸びない子になるか」が決まってしまうということです。

成績の悪い子ほど口癖になっている「マイナス発言」

塾で生徒を指導していて、日頃とても気になることがあります。それは、成績の悪い生徒ほどマイナスの言葉を使っているということです。

「自分はバカだから」「私は記憶力が悪い」「勉強は嫌い!」「やりたくない」「うざい」「むかつく」「かったるい」「算数は苦手」「本は嫌い」などなど、これらの言葉が日常会話に自然と盛り込まれています。

このような発言をする生徒は、マイナス発言が長年の口癖になってしまっているため、「そんなことを言わずにやれ!」とか、「頑張れ!」といった精神論的な励ましの言葉をかけても、なかなか変わることはありません。そして怖いことに、「繰り返された言葉はそのとおりに実現される」という原則(繰り返しの法則)があるため、そのような生徒はいくら勉強しても学力が身につくことはありえないのです。

たとえば、「私は英語が苦手だ!」といつも発言していたら、いつしか英語が苦手な人物のように振る舞うようになり、やがて英語から遠ざかるような行動を起こします。たとえ勉強しているように見えても、心が拒絶しているので、ただの時間の浪費になってしまいます。言葉は行動を駆り立てる非常に強力なツールであり、いい方向で使っていれば大きな効果を発揮しますが、悪い方向へ使ってしまうと、破壊的な悲劇を生んでしまいます。

言葉が招く、笑えないエピソードがあります。

「Aさんがある日、会社に出社したとき、同僚のBさんから『Aさん、今日顔色悪いけど大丈夫?』と言われました。Aさんは『別に体調悪くないけど』と答えます。次に、Cさんが別の場所でAさんに『Aさん今日、体調悪そうだけど大丈夫?』と声をかけます。Aさんは先ほどBさんから似たようなことを言われたので、もしかしたら自分は調子が悪いのかと思い、『そう見える?そういえば、体調はよくないかもしれないね』と答えます。

そして、ダメ押しで上司のDさんが登場します。AさんはDさんに『大丈夫か?熱でもあるんじゃないか?』と言われ、Aさんは、確実に自分は体調が悪いと錯覚し、早退してしまったということです」

これはある心理学的実験として行われたようですが、意図的に行ったとしたら大変な問題を引き起こしますね。しかし無意識の形では、日常でも結構、行われているように感じます。

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