やりがち?悪気ないハラスメント社員3つの共通点 密室を避け「5分以内の話」がハラスメントを防ぐ
大半のケースは加害者側に悪意がない
「ハラスメント」が認知されて久しいのですが、実際のケースでは、加害者側に悪意がないことがほとんどです。むしろ上司が「部下のためを思って」話を聞く場面で起きているのだということは、あまり知られていません。
私は、スクールカウンセラーをしており、教育現場にかかわる相談を受けることが多くあります。すると、次のような「二人きり」の場面でハラスメントと思しきことが起きやすいのです。
例えば、小学校で校長と教頭が二人きりで話をしている。校長としては、「教頭の今後を思って」「教頭がよい校長になれるように」と、いろいろアドバイスをしているつもりです。しかし、つい熱が入りすぎて、場合によっては1時間も2時間も話をしてしまう。
教頭は、ただ「はい、はい……」としか言えない。精神的に圧迫されて、ただ否定されたという思いしか残っていません。
また、若手教師に対してベテラン教師が「よかれ」と思って熱心に指導をしている。若手教師としては、ただ「つきあわされている」としか感じていない。そして1時間も経ったところで、「なんだ、くそババア!」とベテランの女性教師にブチ切れて、最悪の関係になってしまう。幼稚園では、園長と主任教諭の間に同様のことが起こりやすいでしょう。