中国のロシア産原油の輸入量が、2023年にサウジアラビア産を抜いて供給国別で最大になったことがわかった。
中国海関総署(税関)が1月20日に発表したデータによれば、2023年のロシア産原油の輸入量は1億700万トンと、前年比24%増加。一方、2022年まで4年間にわたり首位の座にあったサウジアラビア産は、同1.7%減の8595万9000トンと第2位に後退した。
ロシアはウクライナへの侵攻を開始して以降、西側主要国の経済制裁を受けてヨーロッパ向けの原油輸出が困難になり、中国などにディスカウント価格で輸出攻勢をかけている。
2023年に中国が輸入したロシア産原油の平均単価は、1バレル当たり約77.3ドル(約1万1456円)だった。これは、サウジアラビア産の同約85.5ドル(約1万2671円)はもちろん、輸入原油全体の平均単価である1バレル当たり約81.64ドル(1万2099円)より5%以上安い水準だ。
「マレーシア産」輸入急増の怪
その結果、2023年の中国の原油輸入は数量ベースで大幅に増加した一方、金額ベースでは逆に減少した。海関総署のデータによれば、同年の総輸入量は5億6400万トンと前年比11%増加し、2015年にデータの公表を開始して以降の最高記録を更新。これに対して、総輸入額は3374億9400万ドル(約50兆176億円)と同7.7%の減少を記録した。
ロシアとサウジアラビア以外の原油供給国に目を転じると、2023年のランキングではイラクが第3位に入り、輸入量は前年比6.8%増の5926万トンだった。
見逃せないのは、マレーシアからの原油輸入量が前年比53.7%も増加して5479万3000トンに達し、2022年の第6位から第4位にランクアップしたことだ。さらに、アメリカからの輸入量が同81%増の1428万7000トンに急増し、第10位に入ったことも注目に値する。
(訳注:中国が輸入したマレーシア産原油の一部には、イラン産やベネズエラ産の原油を積んだタンカーから、マレーシアの港湾で別のタンカーに移し替えたものが含まれているとの見方がある)
(財新記者:羅国平)
※原文の配信は1月20日
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