「勉強のやる気出ない人」は単純なコツを知らない 「階段状のルーティン」で徐々に負荷をかける

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一度動きだしてしまうと、なんとなく体が動きます。そのため、とにかく始めてしまうことが重要です。やりやすい科目から始めることで自分を甘やかし、徐々に負荷をかけていく方法がサボりを防ぐことになるのです。

「階段状のルーティン」を組む

資格試験の勉強をゲームにたとえると、合格したい気持ちはHP(体力)です。ストレスにさらされるとゲージが減少していき、ゼロになるとゲームオーバーです。ゲームの終わりは合格をあきらめることを意味します。
そのため、勉強を継続するには、

①モチベーションを高くすること
②ストレスをなるべく小さくすること

の双方向からの対策が必要になります。負荷の少ないルーティンを組むことは、ストレスを小さくすることに役立ちます。

そして、勉強が嫌だという気持ちの根本には二つの原因があります。

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一つは、単純に楽しみを犠牲にして努力しなければならないつらさです。

二つ目は、うまくいかないことに取り組み、大変なことをしなければならないというつらさです。

努力を続けるには、この二つのつらさをコントロールし、ストレスが「合格して人生を変えたい」というモチベーションを上回らないように管理しなければなりません。

人によって違う部分もありますが、ストレスがたまりやすいのは、勉強中よりも、むしろ勉強前や、サボっている時間です。やりたくないなぁ、と考えているだけで嫌な気分になりますし、サボっている途中は、楽しいことをしていても、罪悪感に苦しめられることになります。

そのため、負荷の少ない項目から始まる階段状のルーティンを組むと、始める前のストレスを軽減することができます。資格試験の勉強を続けていると、自分にとってやりやすい科目とやりにくい科目が分かれてきますので、難しい内容はもっとも調子の出る中盤に組みこむことがポイントです。

終わり付近に難しいものを入れると、疲れてきた後半にエネルギーを使わなければならなくなります。そうすると、中盤以降にやりたくない気持ちが強くなってしまいますので、後半に重いノルマを課すことも避けたほうがよいでしょう。

階段状のルーティンは、冒頭に書いた格闘技などスポーツでも同じです。野球の試合などで、登板を終えたピッチャーがキャッチボールをしている姿を見たことがあると思います。

あれはクールダウンといって、徐々に体を冷やすために行っている軽い運動です。急激に体を休めることも、準備運動をしないことと同様に、故障や疲れの可能性を高めます。

スポーツでも、ウォーミングアップから始まってクールダウンで終わるという、階段状のルーティンを組むことが一般的です。これは、故障と疲れをなるべく回避して、継続することが目的です。

資格試験の勉強でも、負荷の少ないルーティンを組むことで継続する可能性を高められます。体力や気力はもちろん必要ですが、自分が消耗しないように対策を考えることも、同じくらい重要です。

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アルファポリスビジネス編集部

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