「勉強のやる気出ない人」は単純なコツを知らない 「階段状のルーティン」で徐々に負荷をかける
受験勉強の日々は、やりたくない気持ちとの戦いです。つまらない、つらい、嫌だというネガティブな気持ちに打ち勝って、努力を重ねることが重要です。
「楽な勉強」から始める
そのために、ルーティンの組み方にコツがあります。
それは、1日の最初に行う内容は、なるべく簡単なものにすべきだということです。具体的には、比較的得意な科目のテキストを読んだり、条文や根拠資料を読んだりすることが該当します。
逆に、あまりおすすめしないのは、考えることが必要になる複雑な計算問題を解いたり、文章の構成を考えなければならない理論問題に取り組んだりすることです。
格闘技の練習では、体が温まる前にハードな内容に取り組んだら、疲れやすくなるばかりでなく、ケガをしてしまう可能性もあります。疲れない内容から徐々に調子を上げていくことで、その日の練習を実りあるものにすることが可能になります。
きつい練習をするのは、誰でも嫌です。私も格闘技を始めたばかりのころ、道場に着いたのに、練習が嫌になって逃げ帰ってしまったことがあります。自分にとってやりやすい練習をするようにしてからは、道場に向かうことが苦になることはありません。
勉強でも、最初から厳しい内容でスタートするルーティンを組むと、出鼻をくじかれてノルマをこなすことが失敗しやすくなります。また、つらい勉強が待っていると思うと、朝から憂鬱になってしまうでしょう。
サボる気持ちを抑え、勢いをつけやすくするために、1日の最初はとにかく楽な、やりやすい内容を選択すべきです。そして、調子の出る中盤に重めの内容を組みこみ、後半はまた楽な内容にします。
階段状に徐々に負荷をかけ、ピークから下げていくことを心がけましょう。難しい問題は頭を使うため、負荷がかかります。それに比べると、簡単なテキストを読むだけであれば、ボーッとしていてもノルマはこなせるため、負荷は多くありません。
参考に、私が司法書士試験の際に実際にやっていたルーティンを紹介します。
ほぼ通勤電車でしか勉強していませんでした。電車に乗って、朝一番に行っていたのは、憲法や司法書士法など、覚える項目の少ないテキストを読むことだったと記憶しています。
だいぶ時間が経ったので、科目についてはあいまいですが、ボリュームの多い民法や会社法は避け、さらっと読みやすい科目に取り組んでいました。テキストを読むだけであれば、テキストを開いて目で字を追うだけで、あまり頭は使いません。分量が少ない科目であれば、それほどストレスなく勉強を開始することができます。
一般的に、一度始めてしまえば途中からサボってしまうことは少ないです。朝、仕事に行くのが気乗りしない人は多いはずですが、仕事の途中で「今日は働きたくないから帰ろう」という気分にはなりにくいです。