中国造船業界、新造船受注量で世界の3分の2獲得 竣工量も世界シェア5割、「新エネ船」でも躍進

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中国の造船業界は韓国や日本に比べて生産キャパシティに余裕があったことが、世界シェア拡大につながった。写真は建造中の大型コンテナ船(国有造船大手、中国船舶集団のウェブサイトより)

世界の造船業界で中国の存在感が増している。中国工業情報化省が1月15日に発表したデータによれば、中国の造船会社が2023年に受注した新造船は載貨重量トン数ベースで7120万トンに達し、前年比56.4%増加。世界全体の新造船受注量の3分の2を獲得した。

船舶の竣工量で見ても、中国の伸びは著しい。2023年の中国の新造船竣工量は載貨重量トン数ベースで4232万トンと前年比11.8%増加。世界シェアが5割を突破した。

韓国と日本のシェア低下

同じく工業情報化省のデータによれば、世界の造船企業ランキング上位10社の顔ぶれのうち、新造船の受注量ベースで7社、竣工量ベースで5社が中国企業だった。

こうした中国の躍進により、市場シェアを落としたのが韓国と日本だ。イギリスの海事情報会社、クラークソンズ・リサーチのデータによれば、2023年の世界の新造船受注量(標準貨物船換算トン数ベース)に占める韓国のシェアは24%、日本は11%だった。前年の受注シェアとの比較では、中国が約9ポイント伸ばしたのに対して、韓国は約8ポイント、日本は約1ポイントそれぞれ縮小した。

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