中国のEV(電気自動車)最大手の比亜迪(BYD)が、自社専用の自動車運搬船の運用を開始した。
この運搬船は「BYDエクスプローラー NO.1」と命名され、船体の長さは199.9メートル、幅は38メートル、小型車ならば約7000台を積載できる。初航海は1月10日に山東省の煙台港の自動車専用埠頭で輸出車両を載せ、続いて広東省の深圳港で追加の積み込みを行った後、ヨーロッパ(の荷揚げ港)に向かう予定だ。
BYDはイギリスのロンドンに本拠を置く船舶管理会社、ゾディアック・マリタイムから同船をリースした。ゾディアックの発注を受けて船体を建造したのは中国の国有コンテナ海運大手、中国国際海運集装箱(CIMC)傘下の造船会社であるCIMCラッフルズだ。
リース料が3年前の7倍超に
ここ数年、中国の自動車輸出が急増したことに伴って(中国から海外に向かう)自動車運搬船のリース料が急騰している。
イギリスの海事情報会社、クラークソンズ・リサーチのデータによれば、積載量6500台クラスの自動車運搬船のリース料は2024年1月上旬時点で1日当たり11万5000ドル(約1670万円)。これは3年前の実に7倍超の水準だ。
そんななか、BYDは自社専用の運搬船団の立ち上げに乗り出した。クラークソンズの情報によれば、前出のゾディアックはCIMCラッフルズに10隻の自動車運搬船を発注しており、いずれも2024年から2025年の間に引き渡される。財新記者の取材に応じた業界関係者によれば、それらの大部分がBYDに長期契約でリースされる予定だという。
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