ものをいうのは読書量!古典を「センチ単位」で読め ビジネスエリートが実践する驚きの読書法
海外の古典を読み通して気づいたのは、本当にいいものはシンプルに書いてあるということ。私の読書の基準は、「必要以上に難解な書物はあまり読む価値がない」というもの。難解な表現が多い書物の背景にある著者の特性は2つだ。1つは、見栄っ張り。たいして意味もないことをあえて難解に書くことで権威付けようとする姿勢だ。こんな著者の作品は読む時間がもったいない。
世の中に役立つものはシンプルなもの
もう1つは気配りがない。読み手に対して配慮がないのだ。ただこの場合気をつけなくてならないのは、配慮が足らなくても優れたものはあるということ。天才型の人にもこういう人が多い。天才は得てして自分勝手な人たちなので、そもそも他者への配慮がない。自分と同じくらいの理解力があるのが当たり前だと思っている。こういう人の書いた本にはいいものがあるので、その場合、頑張って読むしかない。
シンプルで平易といえば、マクロ経済学の生みの親である、ジョン・メイナード・ケインズ『雇用・利子および貨幣の一般理論』も朽ち果てない名著だが、官僚であり投資家でもあった彼が経済学に求めたのは「シンプルな実学たること」。ケインズは師アルフレッド・マーシャルの追悼文で、〝経済学者の本業はパンフレットを書くことだ〞と述べた。経済学者は難解な論文を書くのではなく、大衆にわかるような簡易な処方箋を書くべきと彼は言いたかったのだ。
「無駄に難解」という意味では、原著よりひどいと思ったのが日本の翻訳。宗教から歴史から哲学までこれらは難解なものが多い。その多くは、権威付けだと思う。原文や英訳で読めばとてもシンプルで身近にさえ思えるような表現なのだが、「簡単にわかってもらっちゃあ、こちらの権威や仕事がなくなってしまう」ということだろう。
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