ものをいうのは読書量!古典を「センチ単位」で読め ビジネスエリートが実践する驚きの読書法
スイスで学んだグローバル人材への関門
私が初めて外国に出たときの話をしよう。
最初は1980年代前半、スイスに留学した大学時代だ。
ホームステイ先のお父さんは、多国籍企業の重役。列強に囲まれた小国スイス人は多言語を操る。お母さんはフランス人。お父さんと子供はドイツ語と英語で話し、お母さんと子供はフランス語とドイツ語で話していた。当時、英語もアップアップだった私はとても衝撃を受けた。
あるとき、お父さんと2人きりでドライブに出かけた。お父さんは私に訊いた。
「コータロー、君は将来どうなりたいんだ?」
私は「世界を舞台に仕事をしたいです」と答えた。するとお父さんに、
「だったら君の英語じゃダメだ」
と、はっきり言われ、こう諭された。
「スイス人が外国語を見事に操るのに驚いているだろう。でもそれは小国だから仕方ない。だが、日本のような大きな経済でもやがては自国だけでやっていけなくなる。きっと将来、組織も社会もずっとグローバル化していく。そのとき必要なのは何より英語だ。フランス語もドイツ語も英語もほとんど同じアルファベットだ。けれど日本語は全然違う。日本人にとって英語を学ぶ不利さは並大抵じゃないだろう。けれど君の年齢だと、グローバル化の波に必ず巻き込まれる。君たち若者は、グローバル化から絶対に逃げられない。来るべき未来のために、君はもっと英語を学ばなくちゃいけない。今のレベルだと仕事では使えないよ」
すごく衝撃的だった。英語を学ぶ必要性は、それなりにわかっていたつもりだったが、ここまではっきりダメ出しされるとショックでもあった。
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