ものをいうのは読書量!古典を「センチ単位」で読め ビジネスエリートが実践する驚きの読書法

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後の私の人生の指針は、海外で気づいたもの。スイスのお父さんは、10代のときに僕の目を覚まさせてくれた、かけがえのない恩人だ。

ほどなく東京に帰って、東京イングリッシュフォーラムという英語の討論グループに参加し始めた。毎週土曜日の午後、前週に決めたテーマで2時から5時まで英語でディスカッションをする会だ。各国の大使館員やジャーナリスト、大企業の国際部門の人たちから私のような学生まで幅広いメンバーが参加していた。

教養がないと世界で通用しない

当時、この会のリーダーをされていたのが、佐々木賢治さんという男性だ。10年の滞米生活、J&Jの全米一の経口避妊薬会社Ortho本社勤務を最後に、国内大手証券会社勤務のため帰国直後。

名古屋大の理学部数学科を出て、自費でシカゴ大のMBAを取った猛者でもあった。

日本英語とはかけ離れた発音で、機関銃のように英語を話すその姿にいつも圧倒された。私のような若輩に対して非常に面倒見がよく、志から叩き込んでくれた。いわば現代版の吉田松陰のような人だ。この東京イングリッシュフォーラムも佐々木さんの私塾のようであった。佐々木さんは生意気な私に関心を持ち、よく飲みに連れて行ってくれるようになった。

私の英語力は飛躍的に向上していて、自分ではかなりのレベルにあると思い込んでいたのだが、ある日、佐々木さんは「田村君の英語は内容がない。教養が足りないからだ。教養がないと論理的に話せない。だから勢いはあっても説得力がないんだ」とストレートに言ってきた。

ディスカッションでも、佐々木さんほどではないがけっこうしゃべれるようになっていた私は、横っ面をグーで殴られたくらいの衝撃を受けた。

佐々木さんから、「大学でろくに勉強もしてないだろ。教養がないと世界で通用しないよ。そのためには時間が経っても生き残っている本を読め。それが古典だ。古典を読め!」と指導された。恥ずかしながら、大学時代は教科書さえまともに読んだことがなかった。なぜならテストの問題は毎年ほぼ同じであり、その解答を覚えるだけでよかったからだ。これが巷で〝レジャーランド〞と揶揄される日本の大学の実態だった。

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