内外共に多事多難だった2023年もあとわずか。多くの国民は年末年始の準備に大わらわだ。しかし、政治の中心地・永田町は、東京地検特捜部の「巨額裏金疑惑」捜査で上を下への大騒ぎ。本来なら政治休戦となる年末年始も、有力政治家たちの右往左往ばかりが際立つ。
8月に「増税メガネ」と揶揄されて以来の「税」をめぐる迷走などで、支持率が過去最低を更新し続ける岸田文雄内閣は、裏金疑惑で「絶体絶命のピンチ」に陥り、一部メディアの先走りだけでなく、揺れ動く自民党内も「ポスト岸田」の話題で持ち切りだ。
そもそも、近年の自民党の総理・総裁交代劇は、党内の権力構図を踏まえた「予定調和での決着」(自民長老)が多かったが、今回ばかりは「展開次第で誰が浮上するかわからない出たとこ勝負」(同)との見方がもっぱら。そこで、年明け以降の「ポスト岸田」レースを占ってみると……。
岸田首相が再選を狙って総裁選出馬に踏み切るか
この「後継レース」の結末につながる最大のポイントは、岸田首相(自民党総裁)自身の「退陣」について本音と、想定されている政局展開の“ギャップ”だ。というのも、現状では「衆院解散で惨敗するか、自ら早期退陣を決断しない限り、来年9月の自民総裁選までは続投可能」(閣僚経験者)だからだ。
しかも、岸田首相が再選を狙って総裁選出馬に踏み切った場合、「後継レース」の構図も一変し、「岸田続投の可否をめぐる戦いとなって、出馬する人も限定される」(自民長老)との見方が広がる。特に、岸田首相が大胆な政治改革を打ち出して支持率回復につなげれば、「総裁再選の可能性」も捨てきれないためで、そうした実態も踏まえて、現実に即したレース展開のケーススタディは以下のようになる。
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