まずは、最も早い退陣のケースは「来年度予算成立直後」。経済回復のカギとなる来年度予算については「野党も年度内成立には協力せざるをえない」(国民民主幹部)とみられている。要するに「予算成立花道論」だが、すでに石破茂元幹事長がその可能性に言及して、一気に現実的選択肢として浮上してきた。
もちろん、岸田首相の退陣決断が前提だが、党則の中に「総裁が任期中に欠けた場合には、(中略)特に緊急を要するときは、党大会に代わる両院議員総会においてその後任を選任することができる」との規定があるため、所属全国会議員と都道府県連の代表各3人(141人)の投票による地方代表による「一発勝負」となるとみられている。
“予算成立花道”なら「茂木・高市・石破の“三つ巴”」に
その場合の後継レース出走が予想されるのは、茂木敏充幹事長、高市早苗経済安保相、河野太郎行革相、石破茂元幹事長、林芳正官房長官、野田聖子元総務相の6氏。
ただ、河野、石破両氏は、小泉進次郎元環境相との「小石河」連合を足場にした出走となるので、「今のところ石破氏一本化が本命」(政治アナリスト)との見方が多い。また、官房長官の林氏は出走断念の可能性大で、野田氏も推薦人確保が困難視されている。
となれば、茂木、高市、石破3氏の“三つ巴の勝負”となるが、その場合は、党内力学から「本命・茂木―対抗・高市―穴・石破」(同)との見方が一般的。というのも、茂木氏は自らの茂木派と麻生派さらには岸田派の支持が確実視され、それだけで党所属議員の4割を超える。これに対し、高市氏は安倍派を軸とする党内保守派、石破氏は菅義偉前首相ら無派閥グループがそれぞれ支持するとみられるが、いずれも「3割が限界」とみられているからだ。
ただ、勝者が次期衆院選の顔になるため、上位2人の決選投票になった場合、各種世論調査で国民的人気が低迷している茂木氏を、2位になった高市氏か石破氏が破る可能性も否定できない。
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