年明け以降の「ポスト岸田レース」の行方を大予想 政局展開次第で「本命」「対抗」「穴」が大変動も

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しかも、任期満了に伴う総裁選は地方党員も参加した本格総裁選となるのが一般的で、党員投票では国民的人気が高い石破氏(河野氏)や、保守派の代表となる高市氏が優位となる可能性も否定できない。そうした状況を踏まえれば、直前で岸田首相がリタイアして、急きょ茂木氏が出馬することも想定されるが、最初のケースの「予算成立花道」と異なり、本格総裁選となれば、選挙の顔として石破氏か高市氏が勝ち抜くこともあり得る。

「初の女性首相」として上川陽子外相の担ぎ出し

ただ、その場合の党内の亀裂は大きく、しかも、新総裁(首相)が解散権を握るため、党分裂の危機も招きかねない。そうした大混乱を避けるため、「話し合いでの1本化」が急浮上した場合、「初の女性首相として上川陽子外相の急浮上」(自民長老)が取り沙汰されている。

当然、上川氏が担がれた場合は、2024年10月召集と見込まれる臨時国会での首相指名・組閣の後、短時日での解散断行というケースも想定される。これは、野党陣営が一番警戒するケースで、「女性首相ブームで自公政権が勝つ」(選挙アナリスト)との見方が多い。だからこそ、現時点でも「ポスト岸田の本当の本命は上川」(自民長老)との臆測が広がるのだ。

仮に衆院選勝利で上川政権が安定軌道に乗り、2025年夏の参院選も乗り切って同年秋の総任期満了時で再選されれば、その次の総裁選はその3年後の2028年9月となる。その場合、茂木氏は73歳、石破氏71歳となり、世代交代を叫んで福田達夫氏や小泉進次郎氏が名乗りを挙げれば、「旧世代組はすべてリタイア」(岸田派若手)ともなりかねない。

もちろん、言い古された言葉だが「一寸先は闇」なのが自民党の権力闘争。深読みをする政界関係者の間では「つなぎ役として鈴木俊一財務相の担ぎ出し」説に加え、「麻生太郎副総裁の再登板」説までささやかれるが、「そのこと自体が、追い詰められた自民党の内部混乱を物語っている」(政治アナリスト)といえそうだ。

泉 宏 政治ジャーナリスト

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いずみ ひろし / Hiroshi Izumi

1947年生まれ。時事通信社政治部記者として田中角栄首相の総理番で取材活動を始めて以来40年以上、永田町・霞が関で政治を見続けている。時事通信社政治部長、同社取締役編集担当を経て2009年から現職。幼少時から都心部に住み、半世紀以上も国会周辺を徘徊してきた。「生涯一記者」がモットー。

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