「ドル円相場」予測のカギになる"16.5年ルール" 大局的な視点で見た場合、どう変動するのか
同じ1995年のアメリカのGDPは7兆ドルだった。当時の為替はどうだったかというと、1ドル80円をちょっと切っていた。1ドル80円で換算すると、80円×7兆=560兆円である。つまり、アメリカのGDP560兆円と日本のGDPが500兆円で拮抗していたのだ。
信じられないが、アメリカと日本のGDPがほぼ並んだ。これは為替相場が1ドル80円と異常に歪んだことからこそ、こうした格好となった。
それはこういうことである。アメリカのような大国と日本とのあいだで、通貨の換算率が異常に捻じ曲がってしまった結果、両国のGDPがほぼ同等の約500兆円になったわけだが、これは冷静に考察するならば、この当時にいかに円高が無理矢理進んでいたかを映し出している。
それではいまはどうなのか。そこから27年が経過した。今度は27.5年で半年ずれたが、2022年10月になると151円95銭と、1995年4月時とは真逆に壮烈な円安となった。ここで述べる円安とは、別に1ドル140円が円安という意味でなく、相対的に世界のどんな通貨に対しても円が弱い、円全面安になってしまったということである。そしてこれが2022年初めからの円の実態といえる。
27年のサイクルで起こっている
要は異常な円高から27年が経って、壮烈な円安になったわけで、今後はおそらく、反動の超円高に向かっていく。相場とはすべて循環に支配されているから、基本的に行きすぎたらまた元のサヤに戻るわけである。それが27年のサイクルで起こっている。
いまの時点においては140円台を挟んで動いているとはいえ、今後は2028年に向けてひたすらに円高が進行する。今度再び、前回の1ドル80円のようにべらぼうな円高になってしまう可能性があるということだ。筆者自身は、1ドル72~65円あたりまでのドル安円高になると言及している。
それは1ドル360円時代からの計算より弾き出した数字であり、2028年の4月に72~65円まで円高になるというビッグピクチャーである。
ここまで記してきたように、為替相場をはじめとする相場とは、毎日の金利動向だとか、パウエルFRB議長が何を言ったか言わなかったとかとは、まったく関係のない世界なのである。
要するに相場とは、宇宙のルールに則ってきれいに循環している。それだけの話なのだ。そのいわば儀式的循環がどういうふうに行われているのか。それを見つけ出すために黄金律というツールを使う。そういうふうに申し上げておこう。
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