やや貧乏な中年夫婦が「金持ちの街・港区」で得た物 支援はほぼないけど…都心ゆえの魅力があった

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シャネル銀座ビルディングの4階には小さなコンサートホールがあり、年に数回無料コンサートが開催されます(筆者撮影)

ブランドショップでお買い物したり、デパートのレストランや、おしゃれな路面店で食事をするのも楽しいですが、それ以外でも実は銀座を満喫できます。ギャラリーを巡って、疲れたらカフェチェーンでコーヒーを飲み、デパ地下で焼きたてパンをいくつか買って帰る。夫婦2人で銀ブラを楽しんでも、それならば1人1000円ほどで事足ります。

1人1000円で歌舞伎が観られる!?

2023年「錦秋十月大歌舞伎」で、中村獅童、寺島しのぶが共演した「文七元結物語」の初日を観劇(筆者撮影)

本記事の3分の2が終了したところで、まだお金を使っていない私たち夫婦。ですが、もちろん時には1000円とか2000円使うこともあります。

例えば、マイブームである、歌舞伎座の一幕見席。昼の部・夜の部のなかから好きな幕だけを観られるというもので、4階に専用席があります。これを利用すれば、演目によっては1000円以下で歌舞伎を観られるのです(だいたい2000円前後が相場です)。

東京に住む前は、歌舞伎なんて金持ちの好事家だけのぜいたく品だと思っていたのですが、さにあらず。一幕見席を利用すれば、テレビや映画で主演を張るような人気俳優の舞台をライブで体験できるのです。

専用入り口からエレベーターに乗って一幕見席へ。花道は一部視界から欠けるものの、舞台はすべて見渡せます(筆者撮影)

伝統文化だしハードルがもっと高いと思っていたのですが、派手な立ち回りや華やかな衣装はまさに和風のミュージカル。眺めているだけで気持ちが高揚し、口元がほころびます。事前にあらすじさえググっておけば、特に問題なく楽しめるため、最近ではライブハウスや映画館よりも頻繁に通うようになりました。

人間国宝である坂東玉三郎の女形はいやおうもなく美しく、市川團十郎白猿はかっこよく、中村獅童はチャーミング。めっきりテレビでみかけなくなった市川中車(香川照之)も元気に活躍しています。

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