カードを書いたら、外国の街角に迷い込んだようなクリスマスマーケットをひやかして大きいクリスマスツリーの前で記念写真をパシャリ。夜はけやき坂のライトアップをそぞろ歩けば、どこもかしこもロマンチックで、デート気分は最高潮です。
全部ひっくるめて無料でクリスマス気分を満喫できてしまう。六本木ヒルズは、まるで大人のためのサンタクロースです。部屋にクリスマスツリーを飾らなくとも、存分にクリスマスを味わえる。なんとまあ、東京は小さな暮らしにぴったりな街であることか。
都会だからこそ成立する小さな暮らし
築50年30平米のワンルームマンションに暮らし、車もない40代と60代の2人暮らし夫婦。卑屈になるほど貧乏ではないけれど、決して裕福とは言いがたい。ハタから見ると負け犬みたいに見えるかもしれませんし、駅チカの団地住みならさておき、私たちのようにオンボロマンションに住むことを羨む人はそう多くないでしょうが、大都会の小さな暮らしが性に合っているようです。
小さな部屋で好きなものに囲まれて暮らし、ブランドものじゃなくても気に入った服を身にまとい、一歩外に踏み出せば、近所にはお金がなくても楽しめる文化や娯楽がたくさんある。多少の不便や不満はあるものの、それを軽く凌駕する恩恵を享受できる東京都心部での日々を、豊かだなと感じています。
【画像】やや貧乏夫婦の「港区ライフ」…その様子をもう一度、画像で見る(14枚)
家族構成や仕事内容、経済状況や人間関係、それになにより趣味嗜好によって、理想の暮らしは千差万別です。「広い家でぜいたくな暮らしをするのが幸せ」という人を否定するつもりはありませんし、「自然に囲まれた田舎暮らしのほうが豊かだ」「コンパクトで暮らしやすい地方都市がベストだ」と思う人だっているのも、もちろんわかります。「港区なんて……ケッ」とか「お金持ちに囲まれて暮らすのなんて嫌だ」と思う人がいても、好みは人それぞれであり、それは仕方のない話です。
ただ、「狭い家でコストをかけずに、都心部の恩恵を受けて暮らす」というライフスタイルも、意外と悪くないというのが、このエッセイを通して伝わったらいいなぁと思うのです。
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