マンション管理人不足を解消"代務員"90代も活躍 シニアの"手を借りる"ぐらいがちょうどいい

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アクティブシニアは、環境を整備することで想像以上に働ける-。

そう指摘するのは、全国1万社棟超の分譲マンション管理を代行する「うぇるねす」(本社:東京都新宿区)の下田雅美会長だ。

同社では2500人以上(今年8月末時点、コンシェルジュを含むと約3000人)のアクティブシニアが働いている。

マンションの管理員もまた、人材不足が深刻化しつつある業種の1つ。新築マンションの供給が続き管理戸数が増え続けているという背景もあることから、管理会社はこの人材難の中、管理人の確保に四苦八苦している。

マンション
マンション増加も管理員不足の要因となっている(写真:筆者撮影)

彼らは日々の巡回や清掃などを通じ、入居者の安心・快適な暮らしに貢献する存在。

管理を疎かにすれば分譲マンションの資産価値にも影響するため責任は重く、担い手が少ないのだ。

そこで注目されているのが「代務員」。管理会社の常駐管理員が休暇や退職などで不在となる際に派遣されるスタッフのことだ。管理会社にとっては常駐者の仕事の負担を減らし、働き方改革につなげられるといったメリットがある。

90歳も「代務員」で活躍

「うぇるねす」の代務員が行う業務は主に清掃だ。しかし、入居者が管理に求める内容や質は常駐者であれ、代務者であれ変わらない。そのため代務員は、建物の巡回業務や入居者対応など責任ある業務まで担うケースも多い。

実際に今、「うぇるねす」への代務員の派遣依頼が増えているという。代務員の平均年齢は70歳。なんと最高齢90歳の人も働いているとのことだが、それを可能にしているのは何だろうか。

1つに勤務体系がある。業務契約で定年がなく、一定水準の体力と意欲、コミュニケーション能力があればいつまでも働ける。

勤務時間は3時間、5時間、8時間に分かれ、体調や都合に合わせ「働く・休む」を選べる高い柔軟性を備えているのも特徴だ。

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