さらには、生産物流や販売物流では、常温輸送に比べて冷凍輸送可能な事業者は絞られるため、トラックの確保が難しくなる懸念もあります。
実際、どの程度の影響があるのかは未知数ですが、冷凍食品業界ではすでにさまざまな取り組みが始まっています。
日清製粉ウェルナでは、製品の内容量はそのままに、製品と段ボールの規格を見直し、積載効率を1.5倍にしました。段ボールを直接トラックに積むのではなく、パレットを使うことで積み下ろしにかかる時間を短縮。さらに製品と段ボールのサイズを従来より小さくし、これまでの段ボールでは1パレットあたり32箱だったものを、48箱積めるようにしました。
今後も物流の負荷軽減のため、各社で取り組みが行われていくでしょう。どんなふうに問題を解決していけるのか、筆者も注視していきたいです。
1位:今年注目度NO.1は「冷凍食品値上げ」
今年最も注目されたトレンドワードは「冷凍食品値上げ」です。
アンケートでも圧倒的なトップ回答でした。冷凍食品業界関係者も、消費者も、値上げは肌で感じていることであり、注目度が高くなっているのだと思います。
冷凍食品に限らず、2023年は食品の値上げが目立ちました。2022年も記録的な値上げといわれましたが、今年はさらに値上げ品目が多く異常事態のような印象でしたね。
近年の食品全般の値上げの要因には、下記のものがあります。
・原材料の仕入れ価格上昇
・包装資材(袋、トレーなど)の仕入れ価格上昇
・人件費の増加(工場の労働単価の上昇、労働環境の改善)
・エネルギーコストの増加(電気、ガスなど)
・冷凍輸送、冷凍保管コストの増加
・中国などの海外の購買力の増加(日本が買い負ける)
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