今回のテーマは、市場が拡大する「冷凍野菜」。野菜ソムリエプロの資格も持つ筆者がその魅力をお伝えする。
スーパーやコンビニの冷凍食品コーナーに並ぶ豊富な種類の市販の冷凍野菜。「生鮮野菜に比べて栄養が落ちているのではないか」「国産野菜のほうがいいのではないか」と、躊躇している人もたくさんいるでしょう。
冷凍野菜の魅力は大きく分けて5つあります。
冷凍野菜の魅力とは?
■栄養価が維持されている
1つめは旬の時期に鮮度の良い状態で収穫し、鮮度の高い状態で急速凍結することで、「栄養たっぷりの状態」が一年中安定している点です。
野菜は基本的に、旬の時期に収穫されたもののほうが味が濃く、栄養価が高いです。
例えば、冬が旬のほうれんそう。夏に購入した場合、「生鮮ほうれんそう」と「市販の冷凍ほうれんそう」のビタミンCの含有量を比べると、冷凍ほうれんそうのほうが4倍以上ビタミンCが含まれていたという研究データがあります(吉田企世子監修『女子栄養大学 栄養のなるほど実験室』P122図3より)。
冷凍ほうれんそうは冷凍前に下茹でしているので、「茹でた生鮮ほうれんそう」と比べてみると、なんと、8倍以上のビタミンCが含まれているのです。ですので、旬ではない野菜を料理に使う際は、冷凍野菜を活用することが、栄養面ではおすすめなのです。
スーパーなどに並ぶ冷凍野菜は、適切な鮮度管理と冷凍技術によって、栄養がキープされています。冷凍保存なら五大栄養素である炭水化物やタンパク質、脂質、ミネラルはもとより、酸化や分解されやすいビタミンでも、栄養価が保たれています。
とくにビタミンCは減少しやすい栄養素ですが、一般的な家庭用冷凍庫の設定温度(マイナス18℃以下)で冷凍しておけば、長い間ビタミンCをキープすることができます。
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