今年の「冷食トレンド」3位自販機・2位物流、1位は? 忙しい年末こそ簡単でおいしい冷凍食品を活用

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このように、ここ数年注目を集める冷凍自販機ビジネス。メリットとしては、下記が挙げられます。

・無人で冷凍食品を販売可能(複数台並べた無人販売店も可能)
・24時間販売が可能
・電源さえあれば陸の孤島のような場所にも設置が可能
・無人店舗とは異なり、購入時に決済が必須なため万引きが不可能
・販売データ、購入者データの活用
・空きスペースの活用(不動産保有者からの依頼の増加)
・自販機のラッピングによる広告PR効果


 設置費用やランニングコスト、在庫補充や冷凍配送便の人件費など、冷凍自販機にはまだまだ課題はあります。しかし、新たな冷凍食品の販路として、空きスペースの有効活用策としてなど、期待が高まっています。

2位:「物流2024年問題」は冷食業界にも

ニュースでよく耳にする「物流2024年問題」は、冷凍食品業界でも今年のトレンドワードの1つで、2位に入りました。

これは、2024年4月から始まる物流事業に関する働き方改革関連法により、トラックドライバーの労働時間に上限が課されることで輸送能力が不足し、物を運べなくなる、物が作れなくなる、といったことが懸念されている問題です。

物流と一口に言っても種類があり、工場が原材料を仕入れる「調達物流」、工場内や倉庫への「生産物流」、倉庫や配送センターから販売店舗さらには消費者への「販売物流」、消費者から返品や廃棄物が戻る「回収物流」、リサイクルの「リサイクル物流」などがあります。

物流2024年問題は多くの業界に影響が及びますが、冷凍食品業界にも大きなインパクトがあると予想されます。なぜかというと、1つは冷凍食品は加工度が高く、1個の商品に使われる原料・資材の種類が多いため、調達物流の影響を受けやすいのです。

原料を製品工場に運ぶまでの物流を「調達物流」という(図:筆者作成)

例えば、冷凍グラタンを作るには、小麦粉や牛乳、生クリーム、チーズ、マカロニ、複数の調味料など多くの原料が必要です。さらには、できたグラタンをトレーに入れ、内袋で閉じ、さらにはパッケージ(外袋)で閉じ、輸送用の段ボールにも入れ……と、包装資材も多く使われます。

原料や資材のうち1つでも工場に届かないと商品が製造できませんし、ドライバー確保のための原料資材の仕入れのコストアップも見込まれます。

もう1つは、冷凍食品は大量生産・長期保存ができるため、生産コストが抑えられる都心部から離れた地方に工場を作る場合が多いのです。

地方の工場から都心部、さらには全国に供給するには長距離輸送が多くなります。長距離輸送は長時間労働者の比率が高いため、ドライバーの労働時間に上限が課されるこの問題は、深刻な影響を及ぼしかねません。

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