介護中の母が「服を着替えなくなった」深い意味 経験者の柴田理恵さんが語る「親の介護で大切なこと」

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――柴田さんは、ご自身の人生の最期について考えることはありますか。

親の人生の終盤に向き合ううちに、私自身のことも自然に考えるようになりました。

母は、なんべん転んでも、病になっても、あきらめずに「私はこうしたい」という望みを持ち続けているんですね。

「おいしいお酒が飲みたい」「自分の大好きな家で暮らしたい」「ご近所さんや子どもたちと触れ合いたい」。そういう希望を常に自分で見つけて、それに向かって前向きに努力するんです。その姿は、自分の親ながらすごいなぁと感心させられます。

それに母は、お世話になった看護師さんや施設の職員さんに、いつもニコニコしながら、「ありがと、ありがと」って言っているんですね。私も晩年は周りの人たちに笑顔で「ありがと」って言える人になりたいです。

介護離職はせず、自分の幸せを最優先に

――柴田さんが笑顔を振りまく姿は、目に浮かびます。

そうですか? うれしいなぁ(笑)。

『遠距離介護の幸せなカタチ――要介護の母を持つ私が専門家とたどり着いたみんなが笑顔になる方法 (単行本)』(祥伝社)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

親って本当にありがたい存在ですよね。自分を育ててくれて、人としての生き方を教えてくれて、最後は「人生のしまい方」を見せてくれている。人はこうやって死んでいくんだってことを、身をもって教えてくれる、「生きるお手本」だと感じます。

――最後に、親の介護に不安を抱えている人に向けて、メッセージがありましたら。

もし親の介護が始まったら、絶対に一人で抱え込まないほうがいいです。どんな親であっても、子どもの幸せを願わない親はいないと思うので、まずは自分自身が幸せだと思う環境をちゃんとキープしておくべきです。

専門家の先生たちも言っていましたが、介護離職はおすすめできません。経済的にも、精神的にも追い詰められ、退職したことをあとで後悔する人も多いと聞きます。

介護はプロに任せて、家族はその後方からサポートをしていけばいい。まずは自分自身の人生を最優先になさるのが一番だと思います。

伯耆原 良子 ライター、コラムニスト

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ほうきばら りょうこ / Ryoko Hokibara

早稲田大学第一文学部卒業。人材ビジネス業界で企画営業を経験した後、日経ホーム出版社(現・日経BP社)に。就職・キャリア系情報誌の編集記者として雑誌作りに携わり、2001年に独立。企業のトップやビジネスパーソン、芸能人、アスリートなど2000人以上の「仕事観・人生哲学」をインタビュー。働く人の悩みに寄り添いたいと産業カウンセラーやコーチングの資格も取得。両親の介護を終えた2019年より、東京・熱海で二拠点生活を開始。Twitterアカウントは@ryoko_monokaki

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