介護中の母が「服を着替えなくなった」深い意味 経験者の柴田理恵さんが語る「親の介護で大切なこと」

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――ほかに専門家の先生からお話を聞いて、新たな気づきなどはありましたか。

在宅医療のスペシャリストの佐々木淳先生から伺ったんですけれど、最近は24時間対応の地域密着型の在宅医療・介護サービスも増えていて、「在宅での療養や看取りが可能になってきている」ということです。

自宅でも点滴や酸素吸入を受けられるなど、介護保険を使って在宅で必要な医療を施してもらえるのは希望が持てました。

母は「家に帰りたい」という思いが強いので、最終的にそういう選択があることも知れてよかったです。

超長寿時代。95歳までのマネープランを

――本書には、「介護にまつわるお金」についても詳しく書かれていますね。ファイナンシャル・プランナーの高山一恵さんから、「マネープランは95歳まで考えておいたほうがいい」とのお話があり、ちょっと衝撃を受けました。

私もです。高山先生が介護施設の職員さんから聞いた話によると、「入居者の方の中には、自分はそんなに長生きしないと思って80~85歳ぐらいまでの資金しか用意していない人が多い。でも、思いのほか長生きして、資金ショートしてしまい、施設を出ざるを得ない人もいる」と。そのお話は身につまされました。

今どきは元気な80代がたくさんいらっしゃいますし、うちの母も94歳ですから、マネープランを90代まで考えておくのは大切なことだと思いました。

その一方で、先生たちからのお話で目から鱗だったのは、「お金がないならないなりに、限られた予算でも必要な介護は受けられる」ということです。

介護付き有料老人ホームに入るとなると、確かに数千万の老後資金は必要なのかなと思いますが、それこそ介護保険を使いながら、在宅で必要なサービスだけを選んでいけば、金額は大きく膨らまないと聞いて、安心しました。

柴田理恵(しばた・りえ)/女優。1959年、富山県生まれ。1984年に劇団「ワハハ本舗」を旗揚げ。舞台やドラマ、映画などで活躍する一方、明るく飾らない人柄で老若男女を問わず人気を集め、バラエティにも多数出演。著書に『遠距離介護の幸せなカタチ』(祥伝社)のほか、絵本『おかあさんありがとう』(ニコモ)などがある(撮影:今 祥雄)

わが家も母の在宅介護を始めたときは、介護保険を利用した分が月額2万7652円(内訳は、デイサービス/週2回で1万7425円、訪問介護/週3回で8997円、福祉用具レンタル/手すり・介護用ベッドなどで1230円)でした。

そのほか、近所の病院代や生活用品、食費代などで月5万円ほど。1カ月あたり合計7万円台で、すべて母の年金でまかなっていました。

月々の予算も含めてケアマネさんに相談すると、必要なサービスだけを見極めてくれると思います。

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