米国人もコッソリ学ぶ「世界標準」の社交術 日本人が知らない「パーティ」のマナー
各国それぞれに伝統に基づいたマナーが存在します。とりわけヨーロッパのテーブルマナーなどは、とても厳格かつ複雑で、覚えるのが大変だったりします。しかし、グローバルビジネスの中心は米国にあり、アジアの人もヨーロッパの人も米国でビジネスを学び、経験するようになりました。
その結果、人と人とのコミュニケーションの潤滑油であるマナーも、細部がそぎ落とされて、「相手を不快にしない」「恥をかかない」ことを主眼にした、よりシンプルになった「世界標準のマナー」が用いられるようになったのです。
本連載では、国際標準のビジネスマナーと日本の皆さんが感じるギャップを埋めていければ、と思っています。
恥ずかしがらない、堂々と振る舞う
最初に日本人が思い込んでいるのが、米国人は社交的であるということ。しかし、米国社会を知るほどに、実際にはそんなことはなく、日本人と大した違いがなかったりします。
典型的なのがパーティです。パーティでパートナー同伴とするのが西洋のしきたりですが、私は単にひとりで行くのが嫌いな人が多いのではないかと、思っているほどです。どうしても知らない人が多いパーティでは、ひとりでいることが多くなります。
大勢の中の孤独ほど、孤独が引き立ち、つらいものはありません。そんな経験を誰もが持っているものです。ちなみに、顔見知りが多く頻繁に行われるパーティでは、米国人でもひとりで来る、という人も少なくありません。
となると、社交的であるかのように見えるのは、みんなが努力して、マニュアル書を読んだり、練習したりして、その能力を手に入れていることに気づかされます。
米国では恥ずかしそうにすることは、まったく美徳ではありません。地下鉄で小さな子どもが乗ってくると、必ず、隣に座った人や近くの人に立った人が「ハーイ」とにこやかに声をかけます。にこりとする子どももいますが、恥ずかしそうに顔を隠す子どもがほとんどです。そうした場合、必ず親は「恥ずかしがらないで。ハーイと言いなさい」と子どもに優しく声をかけています。「恥ずかしがらないで」という言葉は、しつけのひとつに組み込まれているのです。
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