関ヶ原の戦いののち、宗茂は家康から柳川を取り上げられてしまい、浪人として過ごしている。しかし、そんな宗茂からも家臣は離れることはなかった。
浪人生活になっても家臣たちに慕われた
変わらず慕って付き従おうとした家臣がかなりの数に上ったという。宗茂がただ戦に強いリーダーだったならば、このように家臣から慕われることはなかっただろう。
そんな宗茂の才を惜しんだのが、ほかならぬ家康だった。慶長11(1606)年、宗茂は家康から陸奥・棚倉を与えられて、大名に返り咲いている。
「もし、この男がいたならば、東軍の勝利は危うかったかもしれない」
後世でそう評価されるよりもはるか前、リアルタイムでそう感じたのが、ほかならぬ家康だったのかもしれない。
【参考文献】
大久保彦左衛門、小林賢章訳『現代語訳 三河物語』(ちくま学芸文庫)
大石学、小宮山敏和、野口朋隆、佐藤宏之編『家康公伝〈1〉~〈5〉現代語訳徳川実紀』(吉川弘文館)
宇野鎭夫訳『松平氏由緒書 : 松平太郎左衛門家口伝』(松平親氏公顕彰会)
平野明夫『三河 松平一族』(新人物往来社)
所理喜夫『徳川将軍権力の構造』(吉川弘文館)
本多隆成『定本 徳川家康』(吉川弘文館)
笠谷和比古『徳川家康 われ一人腹を切て、万民を助くべし』 (ミネルヴァ書房)
平山優『新説 家康と三方原合戦』 (NHK出版新書)
河合敦『徳川家康と9つの危機』 (PHP新書)
二木謙一『徳川家康』(ちくま新書)
日本史史料研究会監修、平野明夫編『家康研究の最前線』(歴史新書y)
菊地浩之『徳川家臣団の謎』(角川選書)
岡谷繁実著、北小路健・中澤惠子訳『名将言行録 現代語訳』 (講談社学術文庫)
加来耕三『立花宗茂-戦国「最強」の武将』 (中公新書)
中野等、日本歴史学会編『立花宗茂』 (吉川弘文館)
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら