平気で「安い醤油」買う人の超残念な盲点【後編】 「丸大豆」でも"お手頃値段"はなぜ?驚きの裏側

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では、伝統的な製法で作られた「長期熟成しょうゆ」「速醸しょうゆ」はどのように見分ければいいのでしょうか。

「テイスティング」で、しょうゆは簡単に見分けられる

「長期熟成の本醸造しょうゆ」も「速醸しょうゆ」も原材料は同じ「大豆、小麦、食塩」ですから、ラベルではなかなか見分けがつきません

そこで私がすすめているのは「テイスティング」です。150ccのぬるま湯に、大さじ1杯(15cc)程度のしょうゆを入れて、飲み比べてみるのです。

「伝統的な長期熟成の本醸造しょうゆ」と「速醸しょうゆ」の差がはっきりわかると思います。また、同じ「伝統的な本醸造」でもメーカーによって味の違いがあることがわかり、「自分に合ったしょうゆ」を見つけることもできます。

「長期熟成の本醸造しょうゆ」は薄めても、「うま味」があります。さらに、「ひとつまみの塩」を入れると「うま味」が引き出されるのが「長期熟成の本醸造のしょうゆ」の特徴です。

ところが、「速醸しょうゆ」のほうはどうかというと、「うま味」も薄まっていて、「塩水のような味」がするものが多いのです。

みなさん、そのままのしょうゆをなめたときは「よくわからない」「どちらも同じ」とおっしゃるのですが、薄めると、ほとんどの人がピタリと当てることができます。

なぜ10倍に薄めるのかというと、煮物など料理に使うと、しょうゆはだいたい10倍に薄まるからです。新作安部ごはん2』で紹介している「司の2倍濃縮極上めんつゆ」もだいたい10倍です。

「見分け方」はもうひとつあります。それは「値段」です。

先にも述べたとおり、手間暇かけて長期熟成させる「本醸造しょうゆ」は安い値段では作れません

それに比べて極端に安いものは「速醸」の可能性があります。もちろん特売などの場合もあるので、一概には言えませんが。

驚くべきことに、この「速醸」よりももっと早く、安くできる方法があります。それが「激安しょうゆ」です。

次回では、この「激安しょうゆの正体」に迫りたいと思います。

*この記事の前編:平気で「安い醤油」買う人の超残念な盲点【前編】

*この記事のつづき:日本人が知らない「激安醤油」の超ヤバすぎる裏側

*この記事のつづき:日本人が知らない「薄口醤油」の超残念すぎる裏側

安部 司 『食品の裏側』著者、一般社団法人 加工食品診断士協会 代表理事

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あべ つかさ / Tsukasa Abe

1951年、福岡県の農家に生まれる。山口大学文理学部化学科を卒業後、総合商社食品課に勤務する。退職後は、海外での食品の開発輸入や、無添加食品等の開発、伝統食品の復活に取り組んでいる。NPO熊本県有機農業研究会JAS判定員、経済産業省水質第一種公害防止管理者を務めつつ、食品製造関係工業所有権(特許)4件を取得。開発した商品は300品目以上。

2005年に上梓した『食品の裏側 みんな大好きな食品添加物』(東洋経済新報社)は、食品添加物の現状や食生活の危機を訴え、70万部を突破するベストセラーに。その他の著書に『食品の裏側2 実態編 やっぱり大好き食品添加物』(東洋経済新報社)などがある。

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