【パンプキンからのコメント】
麻生様、今日はいきなり、私の友人の秋田明子さん(仮名)のお話から始めたいと思います。明子さんの夫である秋田氏は若くしてバリバリの企業家でした。明子さんが結婚したときには、秋田氏にはすでにある程度の資産があり、家族思いで夫としては申し分のない人だったそうです。
しかし、そのような生活も5年しか続かず、真面目な秋田氏をそそのかす悪友が現れて、楽して儲かる話を持ち掛けられては、秋田氏はその悪友におカネを吸い取られていったそうです。秋田家が借金生活に突入するのに数年もかかりませんでした。
明子さんは実家から、2千万近い借金をしました。今度こそ悪友と縁を切る、商売を再開するためには資金が必要だといわれ、夫の再起費用と信じて借金を繰り返したそうです。
人生経験を積めば、立ち直らない人を見抜ける
明子さんの実家の親兄弟は秋田氏の山師的な変身ぶりや、以前にはなかった自信過剰な口ぶりから、ある時点で彼が誠実な人間に戻るのは困難と判断しました。今までの自分たちが貸したおカネはドブに捨てたと諦めよう、明子さん母子の面倒はみるから離婚せよと、明子さんにいいました。その方が自分たち(明子さんの親兄弟)の損害も小さくて済むと見抜いたのです。
一方明子さんは、夫が稼いで実家へ借金返済することにこだわりました。夫がまじめに働けば稼げる金額を知っているだけに、夫の「今度こそ立ち直るから借金してきてほしい」という5回目くらいの言葉をも、心から信じてしまいました。こんなに反省している子供たちの父親を見捨てて、後で自分が後悔することも恐れたそうです。
離婚を勧める明子さんの実家と、結婚生活継続にこだわる明子氏の両者の判断の違いは、どこにあるでしょうか。明子さんの実家の人たちは長い人生経験から、真面目に働かなくなった秋田氏の嘘の程度が悪質なのを見抜き、このまま付き合えば、自分たちと共倒れになるまで当てにされることを悟っていたのです。
これに対し、人生経験が浅い明子さんは、夫が繰り返す反省の「今度こそ」という言葉を、その都度今度こそ本物だと信じ、夫が実家に借金返済する日を信じて借金を繰り返しました。結果は明子さんが夫の嘘に目覚めるまで、それからでも2倍に借金は膨らみ、夫婦共倒れとなりました。
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