アスリートがお手本!目標達成する納得の思考法 モチベーションを保ち心を奮い立たせるには?

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3. 自分の気持ちを整える「切り替えルーティン」を持つ

2015年のラグビーワールドカップで活躍した五郎丸歩選手は、ゴールキックを蹴る前に体を少し前かがみにし、人さし指を立てた状態で両手を顔の前で合わせてから、キックを蹴っていました。

あれこそが「ルーティン」です。五郎丸選手は、体の中心を意識し、集中力を高める方法として、メンタルコーチの方と一緒にあの一連の動作を生み出したそうです。

同じ場面で同じ動作を繰り返すことで五郎丸選手は平常心を作り出し、高い集中力を保っていたのです。

切り捨てルーティンも考えてみる

モチベーションを高め、平常心を保ち集中力を発揮するために、あなただけの3つの術をつくってみましょう。心は、コントロールできるのです。

例えば「受注100件取るぞ! 私なら必ずできる!」といった「決意表明」は紙に書き出し、自宅の壁などに貼って、毎朝毎晩視覚に焼き付けると気持ちが引き締まります。

「決意表明」は口に出して聴覚で捉えることも大事です。紙に書いた「決意表明」を口に出してみたらあまりピンとこないという場合は、別の言い方に変えるなどの工夫をしてください。

「セルフトーク」は他人に理解してもらう必要はなく、自分をプラス思考にしてくれる言葉、勇気を与えてくれる言葉であれば、なんでもかまいません。ただし、いつでも繰り返し口に出せる決して忘れない言葉であることが大事です。

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動作で心を奮い立てる「ルーティン」は、重要な場面で気合を入れる「向上ルーティン」と、失敗の後で気持ちをリセットする「切り捨てルーティン」の2種類を考えておくとよいでしょう。

頑張らなくてはいけないここ一番の場面で、集中するときにする動作=「向上ルーティン」(例:頰をたたいて「ヨシッ!」/握りこぶしを天に突き上げてセルフトークをする)は自分の力で、プラス思考を作り出します。

ミスをしたり、嫌な気分になったとき、気持ちを切り替えるための動作=「切り捨てルーティン」(例:深呼吸してスマイルする/嫌な気持ちを付箋に書いてゴミ箱に捨てる)は自分の力で、マイナス思考を切り捨てます。

こうして心をコントロールする術を身につければ、目標達成にまた一歩近づきます。

原田 隆史 原田教育研究所代表取締役社長

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はらだ たかし / Takashi Harada

大阪市生まれ。奈良教育大学卒業後、大阪市内の公立中学校で20年間勤務。保健体育指導、生活指導に注力。課題を抱える教育現場を次々と立て直し、「生活指導の神様」と呼ばれる。独自の育成手法「原田メソッド」により、勤務3校目で指導した陸上競技部では7年間で13回の日本一を誕生させる。大阪市教職員退職後、大学講師を経て起業。「原田メソッド」に多くの企業経営者が注目し、大手企業などで人材育成研修を担当。これまでに約500社、10万人以上のビジネスパーソンを指導した実績をもつ。現在も、家庭・学校・企業の人材育成教育、講演・研修活動、テレビなどメディア出演、執筆活動と幅広い分野で活躍中。

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