井ノ原氏に拍手も、ジャニーズを救った暴走質問 藤島氏不在のマイナスを薄めた大荒れ会見

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また、前回会見の際に反発が大きかった「ジャニーズ事務所」の名称継続についても、新社名「SMILE-UP.(スマイルアップ)」と発表されていたが、犯罪の重大さに比して、「スマイル」という言葉を選ぶセンス、さらには解散した「SMAP」との語呂の類似など、これまたツッコミどころが満載であった。

しかし、藤島氏は手紙の中で代表取締役退任という自身の去就について表明した。藤島氏が代表を辞めた場合、事業承継税制の特例措置対象から外れることで、多額の相続税が発生することになるが、それを受け入れると表明したのだった。こうした金銭的負荷を負う、すなわち罰を受ける姿勢を示すことは謝罪において重要である。

このように情報開示がなされる流れの中で、藤島氏不在という最大の問題が少しずつ薄まっていく変化を、会見を見ていて感じた。そうはいっても質疑応答になれば、必ずこの点を攻撃されるのは明らかで、不調を押してでも会見に出席しないという選択は決して望ましいものとはいえない。

救世主現る

この流れを変えたのは、会社側の説明が終わった後の質疑応答だった。

司会の松本アナウンサーによる穏やかな声で、挙手した記者にマイクが渡され質疑応答は進んだ。質問する報道陣は話のプロではないため、見当違いや、自説を延々と述べるなど、適性に疑問を感じるケースは少なくない。

本件は加害したジャニー喜多川氏の犯罪行為であることは間違いないものの、何十年もの間、そうした犯罪行為を見て見ぬ振りをして放置してきたマスコミにも批判の目は向けられている。そのことを取材陣が当日意識していたかどうかは、不明だった。

質疑応答が進む中、質問者以外の声が入り始めた。執拗に質問を求める記者や、質問者の当て方、振り方に文句をいう声が聞こえ始めた。司会者は「1社1人1回でお願いします」としきりにいさめていたが、それを無視して質問や抗議の声が映像を通じても聞こえた。報道で「大荒れ会見」といわれているのはこの部分を指していると思われる。

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